06/11/12(Sun) [長年日記]
▼ 海が見たくなって・・(前編)
ドライブに女の子を誘うのに、こんなセリフを使うマンガが昔はよくあったもんだ。いや、野郎ひとりでも、走りに行く理由が「海を見に」てのはそれだけでなんとなくサマになる感じがする。
ワインディングが大好きな俺は、近いからというのもあるけれども、圧倒的に山派なわけで、海自体目にすることは年に一度あるかどうかというところ。とはいえ、先月から今月にかけて毎週のように山へ紅葉狩りに行っていると、さすがに飽きてくるのも当然のなりゆきだ。突発的に海が見たくなったとしても無理はなかろう。
幸い天気の方も2日間晴れマークが並んでいたので、何の懸念もなくいざ伊豆半島へと針路を取った。
結局のところ、埼玉発ルートで一番楽なのは、首都高に乗ってそのまま東名か小田厚で箱根なり沼津なりまで出てしまうことだろうけれど、一度逆方向に戻る感じになるのがなんとなくイヤで、今回はR16をひたすら南下するルートを選ぶ。以前環八を経由した時は、夜が明けてすぐの早朝だというのにもうトラックで激混みで、非常に神経を遣ったので今回は避けた。日曜なので道志みちも車が多いだろうと思いやめておいた。
八王子市街を抜ける通常の国道はやはり流れが悪く時間をロスする。今後は絶対バイパスを使った方がいいな。厚木ICまでのR129、R246は広くてわりあい快適な幹線道路である。とはいえ下道はネズミ取りや白バイが怖いので、前が空いていてもあまり飛ばせない。
厚木IC入口がやや渋滞していたが、なんとか東名に乗れ一段落。まったく東名は、家からはかなり遠い道のりである。とっとと外環なり県央道なりがつながってくれると非常ぉ〜に楽になるのだが。
御殿場ICで下り、箱根・芦ノ湖スカイラインを快走。
さすが日曜の箱根はバイクが多い。
マスツーの場合、料金所では代表がまとめて台数分の金額を立替えて払うのが暗黙のマナーというかセオリーだとあくまで勝手に思っていたが、前に並んでいた団体は10数人全員が個別に支払いをするもんだから通過するのにえらい時間が掛かっていた。正直もうちょっと考えてくれと言いたい・・通過後か、休憩や食事の時にでも精算すれば済む話だから。
十国峠から伊豆スカイラインへ。
ちょっと小雨がパラついていたようで路面が濡れていたが、さほど車もおらず、亀石ICまで快適なツーリング。
伊豆はやっぱり景色がいいなぁ!山を走っていて大海原が見下ろせるというのはなんとも贅沢だと思うよ。家がもうちょっと南か西だったら、もっとちょくちょく来てるだろうになぁ。
亀石ICから修善寺方面に向かうつもりが、うっかり大仁に出てしまった。すっかりカン違いしていたので地図と読み合わせ出来ずに少々道に迷ってしまう。だいたい伊豆の国市ってなんだよ!どこだよ!^^;あまり大きく合併されると方向感覚がさっぱりわからなくなってしまうという弊害が。
ちょうどお腹が減ってきたので、手ごろな手打ちうどん屋を国道沿いに見つけて入る。見た目は良かったが何も味のしないうどんだった。
ようやく修善寺に出られて戸田峠に向かった。虹の郷を経由する道は平行する県道より路面も良く緩やかで走りやすい。峠の展望台からは戸田港を望むことが出来る。展望台から戸田へのワインディングは峠道を楽しむバイクも多い。
展望台で海を見ていると、ハーレーの団体がバリバリバリ・・と轟音を響かせながら峠を上っていった。10台・・20台・・えっ?まだ来る!?4〜50台いたかもしれない。もし偶然あれと走るルートが同じだったりしたら大変だろうなぁ・・
戸田港でようやく一服。なぜだか自分でもよくわからないが、戸田の港は非常に好きなのだ。こじんまりした入り江になっているところも良いし、漁船も良い。ロマンを感じてしまう。
港を散歩していたらドカの大集団を発見。10数台の大所帯で、しかも空冷ばかりで、ほとんどがSSだ。ミーティングか何かか?いるところにはいるんだなぁ・・こっそり自分が紛れてもわからないんじゃないだろうか?w
港から近くの共同温泉、壱の湯に入る。
なんと!ここでも入れ違いでドカの集団に遭遇。多いなぁドカ!たまたま今日伊豆に集まって来たのか、それとも根本的にバイク乗り中のドカ乗り比率が高いのか・・ん?大宮ナンバー?近所じゃん!^^;
自販機で300円の券を買う。浴場にはシャンプーも石けんも無く、シンプルで落ち着ける村営らしい温泉施設だった。湯の方はかけ流しということだったが、塩素の消毒臭が強いのがちょっと残念。
土肥までの海岸線上のワインディングは交通も少なく、海を眺めながらの爽快な走りを楽しめた。アウトライダーでのキャッチコピーじゃないが、まさにワインディングパラダイス!を実感。
夕日に映える船影と富士山の姿のコンビも実に素晴らしい!やっぱり俺の海の萌えツボは砂浜ではなく船のいる港だな。
土肥から再び山に向かい、R136旧道から県道411号に出て仁科峠へ。水平線に日が沈もうとしている。いい景色だ。来て良かったなぁ。
本日の宿に向かう。昔の学校の校舎を改造した西伊豆町営やまびこ荘。うどん屋で昼食を食べた後、電話で予約しておいたのだ。仁科峠からの県道59号はグリーンライン級の舗装林道で、辺りはどんどん暗くなるのになかなか宿にたどり着かない。本当に宿があるのか心細くなったころ、ようやく集落が現れ、やまびこ荘の看板が見えて胸をなでおろす。
予約の時、今日は食事の用意が出来ないということだったので、宿帳だけ記入して夕食を摂りに出た。来た道ではなく、同じ県道59号を松崎方面に向かう。地図上の直線距離では大差はないのだが、細くてクネクネした北側の道と違い、緩やかで道幅も広く、比べるべくもない早さで松崎市街に出た。
飯の前にひとつイベントがある。有名な沢田公園の露天風呂に入ろうと思う。どうやら日没には間に合わなかったみたいだけど、何をかくそうここに来るのは初めてだ。せっかくの機会だもの。
駐車場で料金500円也を支払い、岩壁の階段を登っていく。すでにビュービューと強風が吹き寄せて来ている。このロケーション、なんだかワクワクしてきたぞ!^^
狭い脱衣所の扉を開けると湯船には先客が4人。狭っ苦しいといえば狭っ苦しいが、海側と天井が抜けて開放的なので、そちらを向いている限りは気にならない。日の落ちた水平線にはまだオレンジの光彩が鮮やかに残っていた。見上げた空には次第に輝きを増してくる星たち。これを素晴らしいと言わずに何を素晴らしいと言うのか。人気があるのももっともだ。混雑していないタイミングで入れれば、きっと幸せになれることだろう。
絶景の温泉を堪能した後は、近くの食堂でカツ丼を食べて、ちょっと海を見て、コンビニでおつまみと夜食を買って宿に戻る。宿までの山道は街灯も無く、ヘッドライトを消してみると漆黒の闇である。怖っ!!
戻るまでにすっかり体が冷えてしまったので、宿の温泉に浸かる。少々ぬるいがこちらもなかなか良いお湯だった。湯船の木の感触が心地良い。
湯から上がったらもちろんビールである。食堂の保冷庫から勝手に取ってノートに記帳しておくと、精算の時に付けられているというシステムだ。ちなみに部屋のテレビは懐かしの100円投入式である。
教室を改造した部屋には冷暖房が無い。一見コタツのようなテーブルがあるが、電気はつながっていない。したがって夜は非常に冷え込む。ということでアルコールを入れたらとっとと床に就くしかないというわけだ。
おやすみなさい。