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kato@川越の日記兼覚え書きです。
主にDUCATI 900SS、アドレスV125Gやラパンでの旅や整備などを忘れないように記録しておきます。

08/04/13(Sun) [長年日記]

お茶の水で高級アコギを弾き倒し

ほとんど弾く機会の無くなった手持ちのストラトを一本売却しようと思い、Strato-Crazyというストラトキャスター専門店に持っていった。周辺は一通の狭い道で、神田のオフィスビルの地下にあって探すのにはちょっと手間取った。

 

店内のショーウインドウには数十万から数百万まで高価な何十本ものギターが並んでいる。い、いつの間にこんなに値上がったんだ?^^;

買い取り希望の旨を伝えると、その場で音出しと、分解して各部のチェックを行う。残念ながらボディ、ネックともに木部に加工があるのでほとんど値段はつけられない、との回答に落胆する。次のアコギ購入の軍資金にしようと思っていたのだが・・ 

 

ともあれ気持ちを切り替えて、続いてお茶の水の楽器街に移動する。ここに来るのは十何年ぶりだろうか。明治大学が豪華になってたり店が変わってたりはあるけど、基本的には昔と変わらない。渋谷や新宿の人ごみは苦手だけどここは安心出来るな。

 

手始めにマーチンの正規代理店であるK楽器のアコースティックフロアを覗いてみる。俺はこれまでマーチンに特に思い入れはなかったが、トップ・ブランドで多くのミュージシャンが使っているのと、スタジオのスタッフの子がOOO-15というオール・マホガニー・ボディのマーチンを持っていてこの間弾かせてもらったところ、かなり印象が良かったので見直したのである。

 

良いギターを探しているんですが良ければ音を聴かせてもらえますかというと、若めの店員さんがあれこれ試し弾きさせてくれた。

まずはマホガニー・ボディのD-18を試奏させてもらう。マホガニーの暖かい音はフィンガーピッキングに最適で、ポロンと爪弾いているだけでボディが振動して、一音鳴らすごとに脳内麻薬が出てくるようだ。しかし反面、ピックでジャランとストロークするとどこやらぼやけた音でキレが無い。

ちなみに同じD-18でも弾き比べてみると個体によってよく鳴っているものとあまり鳴らないものがあった。やはり楽器、特に生楽器は試奏して決めないと意味がない。

続いて弾かせてもらったのはローズウッド・ボディのD-28。D-18には無かったブライトな高音とドスの効いたローが出てくるが、俺はこの低音弦のドーンというかボーンというか、響きの濁った低音があまり好きでない。次に弾かせてもらったビンテージ・タイプのD-28Vも根本に大きな違いは無かった。

 

こちらが質問するとあれもこれも持ってきてくれる親切な店員さんで、同じマホガニー・ボディのギブソンJ-45との比較もさせてくれた。弦の分離感の少ないギブソンはD-18よりローがあり音がダンゴになって出てくるので、パラパラと爪弾くよりもジャカジャカとコード・ストロークして使うのに向くようだ。  

 

弾かせてもらった中では最初のD-18にはわりあい好印象を持ったものの、即購入に踏み切るほどでもなかった。店員さんにお礼を言って店を後にし、S楽器に行ってみる。

S楽器は2Fにアコースティック専門フロアがあり、一人担当の店員さんがいたので相談してみる。

こちらが年季の入った方で、ちょっと疑問を投げかけると即端的な返答が返ってくるし、歯に衣着せぬというか・・それって売る側の人が言ってはまずいのでは・・と思うような裏事情やダメなギターの見方まであっけらかんと教えてくれるのである・・店頭のギターを実例にして^^;

最初に今日は下見でしょ?と聞かれたので「はい、そうです」と答えたのだが、もともと話し好きな人なのか気に入られたのか、試奏したり話を聞かせてもらううちに2時間が経っていた。

 

前から気になっていた、良い木を使ってていねいに作られているというK Yairiのギターが置いてあったので弾かせてもらう。D-18タイプで同じマホガニー・ボディの10万円台の比較的安価なモデルだったが、俺の好きな暖かな音ではなく比較的ドンシャリ系の音だったのでターゲットからは外れた。ずっと弾きこんだり、もっと高いグレードのモデルだとまた全然変わってくるのだろうが・・

 

ここでもD-18を弾かせてもらい、暖かな音を確認する。が、弾いてごらんと次に渡されたGolden Eraという、マーチンの中でも評価の高い戦前の時期を再現したモデルにはマイった。

D-18GEは上から下までまんべんない音域が湧くかのように鳴っており、本当にマホガニーかと疑うくらいレンジの広い音だ。とはいえ音の根にはたしかにマホガニーの暖かさも残っている。指で爪弾こうがピックでガシャガシャ鳴らそうがまったく不満ない。スタンダードのD-18ではこうはいかない。すごい・・

ローズウッド・ボディのD-28GEも弾かせてもらった。こちらも上から下まで広いレンジがクリアに出ており、スタンダード・モデルで感じた低音の濁りなどはまったく無い。これならマホでなくてもいいかなと思わせるシロモノだった。いずれにせよどちらもスタンダード・モデルとは雲泥の音色の差だ。もちろん値段もだけど^^;

俺はモノクロがカラーに、モノラルがサラウンドになるくらいの違いを感じた。これに持ち替えたとたん、自分の周りにスピーカーでも置かれたみたいに本当にギター全体から音が出たんだよ!

店員さん曰く、ショーウインドウの中の超古いD-28などはさらに良い音がするというが・・ 現行のスタンダード・モデルでも弾き込むうちにはたしてGE並みの鳴りになるのだろうか・・?

 

他に何本かギターを弾かせてもらった。どのギターも店員さんがチューニングをしてから渡してくれるわけだが、チューニングの時点でもう鳴りが違うのはある程度わかってしまう。

間違えてはいけないのは、必ずしも値段が高いから良い音がするわけではなく、良い音がするギターを求めようとすると、結果的にそれらには高いものが多いということだろう。

安くて(壊れているとかのワケアリ品でなく)自分が気に入る音のギターがあったらそれが一番だけど、そういうのを探し当てるのは気の長い話だ。

メジャーなブランドは明らかに価格によって出来上がりに格差をつけているから、ブランドにこだわらないなら有名でなくてもたしかな実績のある工房や製作家に頼むのも賢いかもしれない。

 

それにしても一度最高の音を聴いてしまうと、なかなかそれより下の音では満足出来なくなってしまうものだ。店員さんは、いきなり無理しなくても徐々にステップアップしていくのもアリだよと言っていたが・・

まあ20万出してD-18を買うくらいなら、思い切ってあと20上乗せしてGEを買うか、逆に10万ちょっとで買えるD-15で十分かな。正直なところ、中途半端なクラスを買ってしまうのが一番もったいないように思った。

 

お茶の水はいまだやはり楽器のメッカだった。店員さんには深くお礼を言って帰途に着く。帰りの車内でもずっと頭の中でギターの音が鳴り響いている。眼福ならぬ耳福の一日だった。

Tags: 音楽
本日のコメント(全2件) [コメントを書く]
> siba (08/04/16(Wed) 23:47)

そーですか、御茶ノ水ですか。。。<br>実は去年ヲレも御茶ノ水でマーチンのミニギターを買ったのでした(^_^;

> kato (08/04/17(Thu) 21:02)

オイラもマーチン欲しいよー欲しいよー


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