«前の日記(11/09/21(Wed)) 最新 次の日記(11/09/24(Sat))» 編集
kato@川越の日記兼覚え書きです。
主にDUCATI 900SS、アドレスV125Gやラパンでの旅や整備などを忘れないように記録しておきます。

11/09/23(Fri) [長年日記]

'57 VinST フレット交換 その1

この前リハに入ってみて、現状の高さのないフレットのままライブで使うにはちょっと厳しいと感じたので、自分でフレットを交換してみることにした。特にハイフレットの方の高さが足りないので、チョーキングやスライドをすると、指板の抵抗で指がフレットから離れて音が途切れやすいのだ。全ての音を押さえてフルピッキングするのならまあ問題ないのだけれど、そんなプレイスタイルは現実的ではないよね(笑)

ね、ほとんど高さ残ってないでしょ▲

 

擦り合わせ作業はもう何度も挑戦してだいぶ慣れてきたが、フレット交換となるとまだ二の足を踏んでしまう。以前に一度、お店のギターの消耗したフレットを自分で交換しようとして見事に失敗したことがあるのだ・・。

古いフレットを抜いた後の溝をしっかり掃除しなかったため、タング(足)がしっかり奥まで入りきらなかった。力任せに叩いてフレットのクラウン(頭)は潰れるし、しっかり打てたと思った箇所もハマりが緩くてすぐ浮いてきたりもした。

要するに

・フレットを抜いた後の溝は綺麗に掃除する。

・新旧フレットのタングは極力近いサイズを選ぶ。

・タングの長さが十分収まる溝の深さを確保する(深さが足りない場合は溝を切り増しする)。

これらの反省を踏まえて、いざ作業開始だ。

 

ネックを外したらまずは今のフレットを抜くわけだが、メイプル指板はフレットの上から塗装をしてあるので、フレットを抜く時に塗装が一緒に剥がれないよう指板との境界にデザインナイフで切り込みを入れておく。

フレット抜きの喰い切りをエッジに食い込ませ、浮かせるように抜いていく。ムリヤリ引き抜くのではなく、あくまで刃で挟んで自然に浮かせるのだ。慣れれば簡単なのだが、思いのほかフレットがしっかり打ってあって、最初にエッジに刃を食い込ませるのが難しかった。片側が入りにくい時は反対側から攻めてみる。

▲21F全て抜くことが出来た

 

ロッドを戻してストレートエッジで指板の状態を見ると、酷くはないがやはり平坦ではない。本当なら指板修正してからフレットを打つのが正解なのだが、修正で剥がした塗装を再塗装すると数ヶ月の乾燥期間が必要になり、11月のライブにはとても間に合わない。それで修正の工程を端折って自分で作業することにしたのだ。指板が凸凹のままフレットを打つなんて中途半端な仕事を、まともなプロのリペアマンが受けてくれるはずもないしねぇ・・

プラカッターでフレット溝を綺麗に掃除する。これも大事な作業。タング長1.6mmのフレットに対してフレット溝の深さは2.0mmあったので切り増しは必要なさそうだ。プラカッターの刃厚は溝に対してかなりタイトだったので、グラインダーで少し薄く削ってフィットするようにした。国産のネックだったらそのままでちょうど合うかもしれない。

 

さて、それではいよいよフレットの打ち込み作業に入る。はたして上手くいくだろうか・・不安で胸がいっぱい。

購入したフレットワイヤーは、定番のJim Dunlopの#6105というミディアムハイ。たぶんうちの'69ストラトに付いているのと一緒だと思う。ビンテージタイプのフレットより少しだけ幅が広く、背が高い。指板をスキャロップ加工したのに似たフィーリングになる。このワイヤーを指板のRより少しきつめに曲げる。力任せに一気にやるとへの字になったりネジレてしまったりとへんな曲がり方をするので、ちょっとずつ均等に曲げていく。ビンテージモデルはRが小さいから手作業はめんどう。切り売りじゃなくて長いままのワイヤーを買ったそのためだ。短いフレットを手で均等に曲げるのはかなり至難なのだ。

ところで国産のフレットは米産よりもタング幅が広めということで、もしUSA製ギターにそのまま打ってしまうと、狭い溝を広げてタングが入り込むことになるためネックが逆反ってしまうそうだ。たぶん以前の失敗は、国産のネック(広い溝)に輸入のフレット(幅の狭い足)を打ったために溝に対してスカスカだったのだろう。勉強するといろいろわかってくるものだ。なんのジャンルでもそうだけど、専門の知識を覚えていくのって楽しいよね。もっと若い時にこの楽しさに気づいていればなあ。でも専門≒趣味(ホビー)的と感じるのは歳を取ったからこそなのかな?( ^ー^)

ちなみにこのフレットワイヤーだけなら2,000円もしない。プロのリペアにフレット交換を依頼すると4万円〜がほぼ相場だ。つまりほとんどは技術と実労に対してお金を支払うのだ。それだけ繊細でめんどくさい作業なのである。

 

綺麗にRがついたら指板幅にカットして打ち込む。ネックが反動で跳ねないよう下に敷物をして、プラハンでタン、タンタンと溝に叩きこむ。今回は溝とタングのサイズがしっかり合っているので、フレットがしっかりと指板に食いこんでいく感触があった。これならボンドは不要だろう。はみ出たワイヤーの端は指板に合わせてニッパーでカットする。

全てのフレットを打ち終わった!ナローネックの21Fなのでワイヤー2本でちょうど足りた。これにて1段階は無事終了・・

ここで時間切れ。擦り合わせ作業は明日。

Tags: 音楽

- Category -> PC | tdiary | うどん | ツーリング | トラブル | バイク用品 | プチツー | 音楽 | | 蕎麦 | 雑記 | 山歩 | 散歩 | 四輪 | | 整備 | 買物 | 旅行

«前の日記(11/09/21(Wed)) 最新 次の日記(11/09/24(Sat))» 編集
Total:  Today:  Yesterday: