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kato@川越の日記兼覚え書きです。
主にDUCATI 900SS、アドレスV125Gやラパンでの旅や整備などを忘れないように記録しておきます。

16/07/11(Mon) [長年日記]

上武秩父峠道巡り

※今回は画像多めですよ※

免許取り立ての頃はツーリングマップルを頼りにKDX200SRであちこちの林道に出かけた。基本ダートを求めて、それ以外にも峠道を探しては走りに行っていた。初心者がクネクネ道を走り回っても日帰り出来る、手近な奥多摩や秩父周辺が多かった。

ある日上武の小さな林道を走っていて、峠に着いたと思った瞬間に浮き砂で転倒を喫し胸を強打した、苦い思い出がある。あの峠はどこだったっけ?

そういう経緯もあり、今日は秩父と神流町を結ぶ数あるルートの中でも定番のR299(志賀坂峠)やr73(土坂峠)ではなくて、太田部峠、矢久峠というマイナーな峠道を何十年かぶりに走ってみることにしたのだ。

 

昼前に花園ICから長瀞に出て満願の湯方面に向かい、そのまま道なりに進むと高台の集落の中を通る。廃校跡を利用したという天空の楽校に寄って、まずは腹ごしらえをしよう。

 

テラス席からの眺望はたしかに天空の名に値する素晴らしさだ!

 

注文したのはベーコンチーズバーガーとアイスコーヒー(セットで800円)。なかなか美味しいがちょいお高め。

 

狭い教室の中には古い遊具や楽器、看板、ポスター、雑誌やカタログなんかが雑然と並べられている。

 

 

 

ビンテージのおもちゃのピアノは電子楽器とは違った、味わい深い可愛らしい音がする。

 

 

実はここで旅の初っ端から大失敗をしてしまったのだった。駐車場の柔い砂利にサイドスタンドが埋まって、思い切りバイクを倒してしまったのだ。

普段ならスタンドの下に大きめの石なんかを置いて転倒防止するのだけれど、この時は空腹か暑さかで頭が回らなかったのだろう。駐車場からガッチャンと大きな音がして、テラス席からそちらを見た時はこのクソ暑い中青ざめたよ。

 

引き起こしには難儀した。ただでさえ腰高のドカなのに、なにせ途中で給油したためフルタンクの状態なのだ。車体と地面の隙間に膝を入れて、体全体で押し上げてどうにか立たせることが出来た。

 

ウィンカーレンズは割れ、衝撃でミラーのステーが少し内側に入り込んでしまったためにサイドカウルが引き裂かれた。ミラー本体が擦りキズで済んだのはまだ幸いだった。タンクにもキズはない。

駐車場で唸りながら悪戦苦闘している間、すぐ近くに人がいるのにもかかわらず気づいてもらえなかった(たぶん作業中だったのだろう)のがとても心細かった。

 

それとヘルメットはタンク上に置いてその上にメッシュジャケットを掛けておいたために、奇跡的にノーダメージで済んだ。せっかくこの間内装を新しくしたばかりなのに、もしホルダーに掛けておいたらバイクと地面に挟まれて酷いことになっていたかもしれない。

 

正直ここでもう家に帰りたくなるくらい気持ちが萎えるアクシデントだったが、車体自体にダメージは無いし、とりあえず走り出すと乗ってる間はキズは視界に入ってこないわけ(笑) なのでそのまま行程を続けることにした。

 

r37に下りて城峰神社の石碑が立っている脇道(r363)に入る。最初片側1車線の快適な道から、鄙びた集落が現れた頃から次第に山深さを増してくる。

 

なぜか水車小屋なんかもあったりしてね。

 

 

沢戸集落と太田部の分岐を折れるといよいよ山道だ。基本あまり展望のない普通の舗装林道。

標高を上げているうちにも集落があったりして、改めて人の生活圏の広さを知る。

 

太田部峠に到着。長い直線の峠。

ここだったかなぁ、俺がコケたのは…?こんなに平坦じゃなくてもっとカマボコ型みたいな感じだった気がするけれど…

これだけ秩父を走っててもここを訪れたのはたぶん3度目くらいじゃないかなぁ。まあ展望もなく地味で特に面白みのない峠だし…

 

太田部に下りる前に、城峯山に登ってみようと思う。

 

 

トイレと東屋のある石間峠から、遊歩道で山頂までわずか500mだ。余裕で登れるだろう…と思っていたらこれが意外と急傾斜。

 

道はひきしまって歩きやすい方だし、靴はガエルネのG-ROUND、BOAシステムで足のフィットも完璧、ビブラムソールのおかげで足の運びに心配はなかったけれど、体力の方がギリギリ。最後の方は足を前に出すだけで精一杯だったよ。体力ないなあ、俺。

 

 

ともあれ登頂成功!狭い山頂には展望台を兼ねた巨大な電波塔が建っていた。しんどいが当然登る。

 

 

 

苦労を吹き飛ばすような360°のパノラマが広がっていた!麓で買っておいた缶コーヒーを空けつつ疲れた体を休ませる。

 

 

 

 

 

涼風で汗も引いたし、戻ろう。下りはあっという間。

太田部方面に下りていくと集落方面と国道方面に分岐する。神流湖に出て国道への橋を渡る。

 

 

関東地方では水不足が深刻になりつつあるけれど、たしかに神流川もこの状況だ。本来はこの辺りまでダムの水面が来ているハズ。俺もシャワーの時まめに水を止めて節水してるよ。

 

R462を西へ行く。山道と違ってなんと走りやすいことか。

神流町の集落をパスして青梨の分岐を折れる。小さな枝道だが、要所に矢久峠の看板が出ているので迷うことはない。

 

集落を過ぎると閑静な山道になり、そのまましばらく走ると三叉路に出る。そこが矢久峠で、ここもまた特筆することのない地味な峠だ。

太田部峠も矢久峠も土坂峠と接続していて、全舗装の林道なので機会を見て走破してみるのもいいかもしれない。

 

峠を下っていくと、意外と早く人里に出た。林道はそのままr282となる。

今日はあちこちで満開のアジサイが見られた。そしてその中を早くもヒグラシがキキキ…と鳴いている。

 

 

この県道で一箇所だけトンネルを通るところがあって、隣接した旧道が残っているのだが、これが短いながらも素掘りのトンネルでとても味わいがある。

 

 

さらにその先の集落の中のバス停には古い待合所が建っていて、この鄙び具合がまた半端ない!木造でしかも土壁だよ。

写真を撮っていたら地元のおばちゃんが話かけてきて、あと何年か後には道路拡張のために取り壊されちゃうのよー、と教えてくれた。コカしたのにめげずに今日来ておいて良かった。

 

さて、これで今日の目的は達したことになる。日もだいぶ傾いた。後はどこかで飯を食って帰るとしよう。

 

結局道の駅ちちぶに寄ってスタンド蕎麦を食べた。ウィンカーも応急補修し、しばし夕暮れのひと時をまったりした。

 

帰り道の定峰峠、GT-Rに遭遇。スピードの乗る緩いコーナーでは徐々に引き離されるが、低速からの加速に優れるドカはタイトコーナーでまた差を縮める。

峠までわずかというところで、コーナーを抜けると道端に猫がチョコンと座り込んでいて、そこでお遊びは自然消滅となったのだった。


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