07/06/24(Sun) [長年日記]
▼ R299 ぐるり緑の旅
仕事明けの早朝、夜が明けた気配を感じて窓から外を覗き見ると空が真っ赤に染まっていた。天気予報をチェックすると夕方から雨になっていた。
朝方軽くひとっ走りして午前中に戻ってこよう・・今日は日曜だから空いているR299辺りを流そうか。
軽く流すのには奥多摩なんか近くて良いのだが、周遊道路は8時まで開かないのと、残念なことに先日とうとうバイクの死亡事故が起きてしまったため、気持ち良く走るにはしばらく厳しい状況が続くだろう。
午前5時半、仕度を整え出発。
ときおり現れる早出のマイカーをパスして6時に上野町交差点のGSで給油。ハープ橋を渡りミューズパークの丘を越えて小鹿野に出る。バイパスの街並が途切れると人家はまばらになり辺りは緑一色になる。
薄ネズミ色の曇り空。家を出た時には少し蒸し暑かったが、山間部の空気は革ジャケットでもちょっぴり肌寒さを感じるほどだ。俺は暑さが大の苦手なので今日の天気はむしろ歓迎である。
R299では沿道のあちこちにあじさいが咲いている。小さな集落の自販機で軽くコーヒー休憩を取り、あじさいや色とりどりの花に目を和ませながら、早朝の山道を奥へと進んでいくと、何台か俺と同じように朝からソロツーリングを楽しむバイクに出会った。みんな数奇者だ^^
赤平川沿いの緩やかな道が終わり、志賀坂峠越えのつづら折りが始まる。
先週のツーリングでさすがにタイヤの皮もすっかり剥けたので躊躇無く倒しこみが出来る。
開け開けでガンガン走ってもしっかりと地面を掴み続けるPILOT ROAD 2は接地感が高く、安心して走れるタイヤだ。グルーブがスタンダードなくさび型になり、タイヤを分断するように横切っていたパターンの前ROADよりも転がり抵抗が滑らかなのは明らか。微振動が少ないので快適さも上である。
一方、このところイマイチのキャブレーション。エアクリーナーBOXの吸入口を雨・埃対策のためノーマル状態に戻したことに思い当たって、以前のように開口部を切り欠いてエア流入量を増やしたものに着け替えてみた。なんとなく、調子が崩れ出したのはこの頃だったような気がしたからである。結果やっぱり原因の一端だったようで、PSだけ微調整すると今日のキャブレーションは快調そのものでまったく問題が出なかった。とはいえ今日はかなり涼しい気温だったので症状が表面化しなかったのかもしれないから、また暑い日中に走って様子を見た方が良いだろう。
自分にも最近アクセルを早めにガバ開けするクセがついていたようで、エンジンのツキに応じて開けていくように留意して運転すると、加速時にもたつく感じも無くなった。
峠を越えて間物沢川沿いに下ると、中里の集落。T字を左折し今度は神流川に沿ってバイパスを進む。
さて、特に考え無しにここまで走ってきたが、そろそろこれからの方針を決めなければならない。大きく分けるとこのまま佐久まで出るか、湯ノ沢トンネルで下仁田方面に向かうかになるが、まだ帰路に着くには走り足りない感じだから佐久まで峠越えすることにしよう。そして折り返して内山峠かぶどう峠で戻ってくるつもりだ。
幸い十石峠方面の路面状態は良い。
まだ車通りがほとんど無い時間帯なのでスイスイと快適に緑の中の細道を進んでいく。休日は意外に車が通るんだよね。そうすると運転にもよけい神経を遣わされる。
思っていたわりに意外にあっさりと十石峠に到着。やっぱり路面状態が良いと走りやすい。
先着のお揃の赤いジャケットのおじさんライダーが二人。休憩後俺がやって来た上野村方面に下っていった。
水分補給に駐車場の角にある水飲み場で湧き水?を飲んだら、たちまちお腹を下したよ。体は正直というか、弱いなぁ('A`)
展望台に登ってみる。曇っているので眺めはいまひとつ。でもこの展望台が無かったら取り立てて展望の無い地味な峠なんだよな。やっぱりせっかく峠に上ってきたら人情的には下界のパノラマを見下ろしたいもんね。
佐久市内に下り、県道2号を北上、臼田へ。折り返しはまだ走ったことのない田口峠越えを選択した。
群馬から長野へと越える峠道の中でもずいぶんと扱いが小さい田口峠。実際バイク仲間の中でも、十石峠がまた通行止めとか、ぶどう峠は険しくてイヤになっちゃったよとかいう話は上がっても、田口峠の名はあまり耳にしない。そんなにつまらない道なのだろうか。
その前に、日本には函館とここ臼田にしかないという五稜郭を訪ねてみることにした。
五稜郭とは星型の城郭の通称で、取り囲むカクカクとした堀がなるほど星型である。ただ思ったよりずいぶんと小さい。もっと広大な敷地かと思っていた。
歴史的詳細は他サイトに任せるとして、驚いたのが門から中に入るとなぜか小学校の校庭に出てしまったことだ。子供たちが野球に興じている。あれ・・城跡とか建物は?入る場所間違えたかな?
よくよく見渡せば校庭の周囲は5角形の星型になっているような・・。そう、ここは紛れもなく五稜郭の中なのだ。龍岡城跡は現在田口小学校になっており、明治政府の通達で城郭はほとんど取り壊され、一角に御台所だけが残っている。観光名所にするにはあまりに中途半端過ぎる状況だが、こんな実用的な遺し方も良いかもしれない。
田口峠にバイクを進める。平坦でのどかな山道。いつの間にか右手に雨川ダムが現れて堤体には気付かなかった。次第に左右の緑が濃くなり渓流沿いの気持ち良い山道になる。路面も良い。短いトンネルを抜けるともう田口峠。
そしてここから幾重ものヘアピンが始まる。長野側からだとほとんど登らずに峠を越えてから、一気に標高を下げていくのだ。
地図で見るといかにも大変そうなつづら折りだが、間が詰まっているためそれぞれの斜度は緩やかで、折り返しは奥多摩辺りのそれよりむしろ意外に楽である。
濃い緑の中の快適な峠道を下っていくと数台のバイクとすれ違った。やっぱり好んでここを走る人だっているんだね。俺も雰囲気の良いこの道は好きになった。
やがて広川原、馬坂の集落が見えてくる。谷間の狭い敷地に建ち並ぶ古びた木造やトタンの建物には、朽ちかけたものも少なくない。どれだけの人が住んでいるのだろうか。志賀坂金山林道の日窒鉱山跡の半廃墟ほどではないが、時代のスピードを無視したような旧態依然な町並には非常に興味をそそられる。
さらに下っていくと勧能のT字に当たる。
勧能集落もまた、川沿いに密集した古い家屋が印象的である。4〜50代の方には昭和の残り香を感じる郷愁ツーリングコースなどいかがだろうか。
昔俺がKDXでよく御荷鉾林道に出かけていた頃、一度パンクトラブルか何かで勧能に下りてきたことがあった。林道入口の光景はその当時の記憶となんら変わらぬものでタイムスリップしたかのようだった。
ポツリと雨が落ちてきて、すぐに止んだ。先を急いだ方が良さそうだ。
湯ノ沢トンネルでR299に戻る。下仁田に出れば上信越道であっさり帰れたわけだが、なんとなくもうちょっと走りたかったのかもしれない。
上野村で雨が降り出した。時計を見るとまだ10時半。昼食がてら雨宿りしようとプレハブ造りのうどん屋に寄る。
話好きのおばあちゃん一人が切り盛りする店で、正直、うどんはイマニくらいだったけど、うどん以外に美味しいおやきだのお浸しだのいろいろご馳走してくれた。
シトシト雨が止まないのでカッパを着用して出発。神流湖に向かい、本庄児玉ICで関越に乗り帰宅。
峠あり観光ありでなかなか身の濃い良い旅であったな。大満足。
ツーリング お疲れ様でした まさかあの天気でお出かけとは思いませんでした 日曜大工してましたがお昼には雨で中止だったもの(^。^) 今回のツーリングルートはおじさんがのんびり走るのにも良さそうです 参考になりました
あの集落へは今度またゆっくりと訪ねてみたいです。<br>なぜか懐かしいような、切なくなるような・・?不思議な気持ちになります。<br>2階がどの家も同じようなバルコニー造りになっているのは、養蚕の名残だそうです。
いやはや、このところ帰れてないので走りたくてウズウズ・・・<br>好きなルートだけに読みながら走ってる道の風景がくっきり<br>見えましたよ。ただ志賀坂を下って十国峠に向かうあたりから未踏ルートなので田口峠ルートもよく解りませんでした。一度行ってみたいですね。
また一緒に走るのを楽しみにしております^^<br>十石、田口どちらも狭い舗装林道で、リッターバイクで走り目的だとあまり面白くないかも。緑の中のヒラヒラ切り返しを楽しむ道ですね。僕は田口気に入りました^^