11/09/01(Thu) [長年日記]
▼ 冠水シャワー
閉店時間のちょっと前から雨が降り始め、カッパを着ての帰り道。県道からバイパスに折れてすぐ、前方の暗闇に反射する大きな冠水箇所が目に入ったので、アクセルを緩めて通過した。アドレスのフロントカウルがまるでボートのように水を大きく切って行く。
そこへ並走する車が水たまりに突っ込み、大きく水を巻き上げると、それはちょうど斜め後方に位置する俺にドバドバドバ・・と降り注がれた・・(;^ー^) 冠水はホイール下1/3が没するくらいだから10cm以上はあったように思う、とにかく俺は水没箇所を停まらずに安全に走り抜けたかったので、アクセルを半開に固定して車からのシャワーを体に浴びながら惰性で進むより道はなかった。
車は10mほど走行してようやく速度を落とし徐行。俺も無事に冠水箇所を抜けた。あまりに予期せぬイベントに俺はヘルメットの中で声を上げて笑った。
しかしさすがGベクター。もう結構使い込んでるのにカッパの下はサラサラのままだったよ。オススメw
11/09/09(Fri) [長年日記]
▼ '57 VinST ナット交換
どうにも1弦の弦落ちが気になるので、'57ヴィンストのナットを作り換えることにした。
このヴィンストはネック幅が細めですごく弾きやすいんだけど、ハイポジションに行くほど弦がネックの端ギリギリまで広がることになるので、速弾きとか勢いのあるフレーズなんかを弾いたりすると、ふとしたはずみで弦がフレット端を越えてネックの外に落っこってしまうことがある。そうならないよう気を遣ってプレイしていると、いまいち演奏に集中出来なくなってしまう・・。
指板のRがキツイから輪をかけて落ちやすいんだよね。前にこのナット作った時あまり考えずに普通に溝を切ってしまったのがいけなかったか・・。
ということでナットの弦間隔を狭めにして作り直し。これで弦落ち問題はほぼ解消。1弦を押さえようとする時にいつもの感覚よりも若干内側に弦があるのがまだ慣れないが、気兼ねなく弾けるようになったので良かった!
11/09/12(Mon) [長年日記]
▼ 秩父で蕎麦を
午後4時を回り、秩父で蕎麦を食べようとドカで出かけた。
高速で一気に花園か嵐山小川まで短縮しても良かったのだが、なんとなく車の流れに乗ってのんびりとR16からR299に進む。山間部に入ると日が山の西端に隠れ、気温がグッと低くなる。若干肌寒さも感じるくらい。
例によって道の駅あしがくぼに寄ってコーヒー休憩。時計を見るともう6時に近く、行こうと考えていた蕎麦屋の営業時間内には間に合いそうもない・・。
しばらくベンチでこの後の行程を考えていたが、まとまらないままとりあえず秩父市街に向けてバイクを走らせた。
結局、道の駅ちちぶのスタンドで天ぷら蕎麦(550円)を食べる。ここも営業時間は6時半までだったから時間ギリギリで危なかった。スタンド(立ち食い)とはいえここの手打ち蕎麦は値段の割にかなり美味しい。
外に出てドリンクを買う。暖かい食べ物が体に入ったせいか、外の空気がやけに熱っぽく感じる。体感的は夏の夜なんだけど、草むらから聞こえてくる虫の音が初秋だと告げている。どことなくひっそりとした道の駅とは裏腹に、隣接したショッピングモールにひっきりなしに出入りする車を眺めながら、なんだかその場から動きたくなくてしばらくそのまま佇んでいた。
長瀞対岸を抜けて帰路に着く。高速よりも下道でトコトコ走りたい気分だったので寄居で国道を逸れ鉢形をかすめてr11に出る。小川町からはR254で家まで一本だ。
11/09/18(Sun) [長年日記]
▼ リハ初日
今年のお店のイベントライブにはめでたくバンドスタイルで参加出来ることになった。今日はそのAlcatrazzバンドのリハ初日なのだ。Kbの助っ人さん(現役プロ)も来れることになり、なんと初回から全メンバー揃っての音出しになった。
さすがに安心して任せられるメンバーばかりで最初からリハがはかどる。後からリハ録音を聞くと細かいところのミスが目立ちまくりでかなり凹んだが、よくよく考えれば助っ人以外は皆大ブランク明けの1発目のリハだよ。こんだけ出来れば上出来じゃないか。次回もっとがんばろう。
'57 VinSTは現状、とにかくフレットが低すぎてハイポジションがめっちゃ弾きづらい。単純に弦を押さえてピッキングするだけなら出来るが、イングヴェイはハイEのチョーキング、ハンマリング&プリング、大きな幅のビブラート・・みたいな左手の小技がガンガン出てくるから、フレットが低いと余計に押さえる力が必要ですぐ指が疲れたり、スライドで汗ばんだ指がメイプル指板につっかえて滑らなかったりといいところなしだ。音は最高なんだけど・・。
メイプル指板はフレット交換時に塗装の工程が入るから、仮に今から業者に出してもライブまでにはとても間に合わないんだよな。てことでいちかばちか自力で指板修正なしでフレットだけ交換することに決めたよ。スキャロップの方が楽かもしれないけど・・(笑)
11/09/21(Wed) [長年日記]
▼ 台風襲来
午後から夕方に掛けて、上陸した台風の通過で街中は大変だった。電車も停まってお店はキャンセルが相次いでほぼ開店休業状態。店を閉める頃にはすっかり綺麗な星空になっていた。
11/09/23(Fri) [長年日記]
▼ '57 VinST フレット交換 その1
この前リハに入ってみて、現状の高さのないフレットのままライブで使うにはちょっと厳しいと感じたので、自分でフレットを交換してみることにした。特にハイフレットの方の高さが足りないので、チョーキングやスライドをすると、指板の抵抗で指がフレットから離れて音が途切れやすいのだ。全ての音を押さえてフルピッキングするのならまあ問題ないのだけれど、そんなプレイスタイルは現実的ではないよね(笑)
ね、ほとんど高さ残ってないでしょ▲
擦り合わせ作業はもう何度も挑戦してだいぶ慣れてきたが、フレット交換となるとまだ二の足を踏んでしまう。以前に一度、お店のギターの消耗したフレットを自分で交換しようとして見事に失敗したことがあるのだ・・。
古いフレットを抜いた後の溝をしっかり掃除しなかったため、タング(足)がしっかり奥まで入りきらなかった。力任せに叩いてフレットのクラウン(頭)は潰れるし、しっかり打てたと思った箇所もハマりが緩くてすぐ浮いてきたりもした。
要するに
・フレットを抜いた後の溝は綺麗に掃除する。
・新旧フレットのタングは極力近いサイズを選ぶ。
・タングの長さが十分収まる溝の深さを確保する(深さが足りない場合は溝を切り増しする)。
これらの反省を踏まえて、いざ作業開始だ。
ネックを外したらまずは今のフレットを抜くわけだが、メイプル指板はフレットの上から塗装をしてあるので、フレットを抜く時に塗装が一緒に剥がれないよう指板との境界にデザインナイフで切り込みを入れておく。
フレット抜きの喰い切りをエッジに食い込ませ、浮かせるように抜いていく。ムリヤリ引き抜くのではなく、あくまで刃で挟んで自然に浮かせるのだ。慣れれば簡単なのだが、思いのほかフレットがしっかり打ってあって、最初にエッジに刃を食い込ませるのが難しかった。片側が入りにくい時は反対側から攻めてみる。
▲21F全て抜くことが出来た
ロッドを戻してストレートエッジで指板の状態を見ると、酷くはないがやはり平坦ではない。本当なら指板修正してからフレットを打つのが正解なのだが、修正で剥がした塗装を再塗装すると数ヶ月の乾燥期間が必要になり、11月のライブにはとても間に合わない。それで修正の工程を端折って自分で作業することにしたのだ。指板が凸凹のままフレットを打つなんて中途半端な仕事を、まともなプロのリペアマンが受けてくれるはずもないしねぇ・・
プラカッターでフレット溝を綺麗に掃除する。これも大事な作業。タング長1.6mmのフレットに対してフレット溝の深さは2.0mmあったので切り増しは必要なさそうだ。プラカッターの刃厚は溝に対してかなりタイトだったので、グラインダーで少し薄く削ってフィットするようにした。国産のネックだったらそのままでちょうど合うかもしれない。
さて、それではいよいよフレットの打ち込み作業に入る。はたして上手くいくだろうか・・不安で胸がいっぱい。
購入したフレットワイヤーは、定番のJim Dunlopの#6105というミディアムハイ。たぶんうちの'69ストラトに付いているのと一緒だと思う。ビンテージタイプのフレットより少しだけ幅が広く、背が高い。指板をスキャロップ加工したのに似たフィーリングになる。このワイヤーを指板のRより少しきつめに曲げる。力任せに一気にやるとへの字になったりネジレてしまったりとへんな曲がり方をするので、ちょっとずつ均等に曲げていく。ビンテージモデルはRが小さいから手作業はめんどう。切り売りじゃなくて長いままのワイヤーを買ったそのためだ。短いフレットを手で均等に曲げるのはかなり至難なのだ。
ところで国産のフレットは米産よりもタング幅が広めということで、もしUSA製ギターにそのまま打ってしまうと、狭い溝を広げてタングが入り込むことになるためネックが逆反ってしまうそうだ。たぶん以前の失敗は、国産のネック(広い溝)に輸入のフレット(幅の狭い足)を打ったために溝に対してスカスカだったのだろう。勉強するといろいろわかってくるものだ。なんのジャンルでもそうだけど、専門の知識を覚えていくのって楽しいよね。もっと若い時にこの楽しさに気づいていればなあ。でも専門≒趣味(ホビー)的と感じるのは歳を取ったからこそなのかな?( ^ー^)
ちなみにこのフレットワイヤーだけなら2,000円もしない。プロのリペアにフレット交換を依頼すると4万円〜がほぼ相場だ。つまりほとんどは技術と実労に対してお金を支払うのだ。それだけ繊細でめんどくさい作業なのである。
綺麗にRがついたら指板幅にカットして打ち込む。ネックが反動で跳ねないよう下に敷物をして、プラハンでタン、タンタンと溝に叩きこむ。今回は溝とタングのサイズがしっかり合っているので、フレットがしっかりと指板に食いこんでいく感触があった。これならボンドは不要だろう。はみ出たワイヤーの端は指板に合わせてニッパーでカットする。
全てのフレットを打ち終わった!ナローネックの21Fなのでワイヤー2本でちょうど足りた。これにて1段階は無事終了・・
ここで時間切れ。擦り合わせ作業は明日。
11/09/24(Sat) [長年日記]
▼ '57 VinST フレット交換 その2
今日は打ち込んだフレットを擦り合わせする。指板修正を端折っているので、しっかり直線性を出すまでには相当削ることになりそう。
フレット以外の指板面をマスキングテープで保護、フレットにマジックでマーキングしたら作業開始。ストレートエッジで随時直線性を確認しながら、#400の耐水ペーパーを貼りつけたアルミのコの字アングルで、ジョリ、ジョリとフレットを削っていく。フレットは概ねしっかり奥まで打ち込めたはずだがやはり素人作業なのか、なかなか平坦にならない。
ハイポジションを中心に、かなり削ってなんとか直線が出た。それでも元のフレットに比べれば全然山が残っている。7.25(184)Rは自分にはちょっとキツすぎなので、ハイフレットに行くほどフレットエッジよりも中央部を余分に削って、擬似コンパウンドラジウス(円錐指板)効果を出している。
次は専用のヤスリで、削られて平らになったフレットの頭を再び山型に戻す。ここでもマジックでマーキングして、削り具合を確認しながら削っていく。真ん中にマーカーの細線が残るくらいでやめておく。
フレットのエッジを平ヤスリで35°くらいの角度に削り揃える。専用のブロックがあると便利なんだけどそう頻繁に使うものじゃないし、ちょっと高いんだよな・・
ヤスリをかけた後はバリが残っているので、専用の細工ヤスリでこれを取る。これをどこまでしっかりやるかで弾き心地が大きく変わってしまう。ポジション移動する時に手に違和感を覚えないくらいまでしっかりと滑らかに削り込む。
指板からはみ出ているタング(足)のバリを取るのもまた面倒な作業。マスキングしてあるとはいえ、ネックの塗装に傷をつけずにバリだけを取るのはなかなか至難の業。塗装の工程があれば面一にしてから塗り直せるんだけど・・気をつけて作業したものの、手に馴染むくらいまで削っていたらやっぱりあちこち塗装も削れてしまった。
擦り合わせの磨き工程に入る。耐水ペーパーの#400、600、800、1000と段階を経てフレット山を磨いていく。その後スチールウールで磨いて、最後はピカールで艶を出す。地道な作業。
フレット完成!良い仕上がりだ。
さて、フレットが高くなったぶん相対的にナット溝が低くなり、案の定すべての開放弦でビビリが発生してしまった。先日交換したばかりのナットも作り直さなければならない。またしても地道な作業・・
ナット交換も済み、やっと完成。
試奏してみると・・あれ?音が・・妙にシャリシャリしてる・・!?金属的な弦鳴りばかりが強調されて、コキッというまろやかなヴィンストの中域が無くなってしまった・・やっぱりフレットをデカくすると音質も変わってしまうのだ。そういえば太いフレットのコンポーネントのストラトとかってこういう音してるよなあ・・><
フレットだけでこんな変わるもんなのかぁ。かといって低いフレットは弾きづらいし。困った困った。ライブが終わったら元のタイプのフレットに戻そうかな・・
11/09/26(Mon) [長年日記]
▼ '57 VinST フレット交換 その3
シャリシャリした音質に落胆しながら弾いているうちに、ローフレットのビビリに気がついた。どうも1〜3弦の5Fだけが低いようだ。ハイフレットに重点を置いて、ローフレットはもったいながって極力削らないようにしたのが良くなかった。手を抜くと音に如実に現れますなぁ。
ということで、再度擦り合わせ。直線性を確認しながら、12Fを境に1Fに向かって緩やかに坂を下るように平らに均していく。そしてちょうどいい機会なので、シャリシャリの弦鳴りが少しでも薄まるようちょっと余分に山を落としておく。きちんと測ってはいないが当初の2/3くらいまでに低くなっただろうか。相対的にナット溝も若干高くなったのでこれを修正する。
試奏してみる。あっ、音が変わった!以前ほどではないけど、だいぶ元の中域が復活してるよ!!良かった!(^O^)
もちろんビビリもなくなって、万々歳。これでようやくプレイに専念出来るぜっ。あんまり嬉しくて、親連れ出して蕎麦食べに行っちゃったよ。はぁ〜、良かった良かった。