03/05/06(Tue) [長年日記]
▼ 久々のタンデム走行
職場のオーナーの御子息の連れがバイクに乗せてくれと言うので、タンデムで奥多摩に行った。
何度か人の後ろに乗ったことがあると言っていたが、どうもあまり慣れてないくさい。
バンクしようとする時に変に力を入れるのでフラついてしまう。
バイクが倒れることに少し恐怖感があるようだ。
手はこう、足は・・と指示していくと、だんだん勘を掴んできたようで、奥多摩湖に着く頃にはどうにかスムーズに走れるようになった。
前傾姿勢でないアメリカンやスクーターならもっと楽にタンデム出来るんだろうな・・
原始村のそば処で昼食をとり、のめこい湯で温泉に浸かると、もう3時を回っていた。
今回タンデムをするのでマフラーをノーマルに戻した。
重心が下がった分とマフラー自体の重さのため、どっしりとした安定感はあるものの、走りがかなり鈍くなった。
03/05/08(Thu) [長年日記]
▼ 悪夢の京都旅行1 旅立編
2003年の桜も咲こうかという頃のこと。
オレは仕事にも私生活にもすっかり煮詰まってしまった。
ふと思い立ち、気分転換を図るため、京都の桜を見に行くことにした。
4月の2週目にまとめて休みをもらい、宿もネットで手頃な安宿を見つけ、予約した。
あとは京都に飛んで行くばかり。
さて、その交通手段は直前まで迷った。
楽さ快適さを考えれば断然新幹線だが、結局バイクで行くことにした。
バイクで走ってみたい道があったのも理由の一つだ。
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-第1日-
天気は晴れ。
午前10時、家を出発。
国道16号を八王子ICに向けて走る。
八王子ICで中央高速に乗った。
人でいっぱいの談合坂SAで最初の休憩。
この後もおよそ200kmごとに休憩をとる感じだ。
今回、高速の移動の暇つぶしにと思ってラジオを持ってきたのだが、バイクのエンジンをかけた途端、バリバリバリ・・とものすごいノイズ!
アクセルをあおると、回転数に合わせてノイズの量も変わる。
ダメだー、使えない。
当初のもくろみは狂って、ただひたすら走るだけの移動時間となってしまった。
それでもまだ中央道はカーブが多いため、ライドを楽しむことが出来るのが救いだ。
昼に諏訪湖SAに到着。
半分とまではいかないがけっこう距離を稼いだのと、さすがにそろそろ疲れが出てきたようなので、しばらく横になって体を休めることにした。
名神高速に入るとそれまでの山間を行く雰囲気とはガラッと変わり、都市部の高速然となる。
単調な直線道路をひたすら走ると、ようやく京都東ICの看板が見えてきた。
高速を下り、京都市街をめざす。
宿に到着する頃にはすでに日は傾いていた。
裏道にある小さな古びた安宿。
旅館の女主人にあいさつをすると、なにやら連泊したい外人客がいるので、出来れば友達の宿に回ってほしい、という。
この時は特に考えなしにOKしてしまったのだが、思えばこの時からすでに今回の旅行の歯車は狂っていたのかもしれない・・
友達の宿というのはそこから4軒先にある、同じような古宿だった。
軒先にバイクを停めて、部屋に案内される。
いかにも古い造りで狭いが一人旅にはぴったりだ。
荷物を置いて、京都タワー地下にある銭湯に行く。
古びたタワーの地下に銭湯というのも妙な感じだ。
風呂上りにビールを飲りながら市街を徘徊する。
高瀬川沿いの小径を歩くと、桜と古びた建物に風流な気分になった。
門限の10時、宿に戻る。
宿泊客はオレ一人なのだろうか、館内は異様に静かだ。
缶ビールを一杯飲った後床に就くが、抜け道になっているのか、宿の前をひっきりなしに車が通り、うるさかった。
-第1日/了-
03/05/09(Fri) [長年日記]
▼ 悪夢の京都旅行2 風雲編
-第2日-
空が白んだころ、目が覚めてしまう。
外は雨。
朝食付きで頼んでおいたはずなのに、何時になっても食事の気配がない。
仕方がないので、今日は一日をのんびり過ごすつもりで、床の中で惰眠をむさぼっていると、部屋の電話が鳴った。
10時でチェックアウトだから部屋を出てほしいという。
ゲッ、マジ?
この雨の中放り出されるのはかなわんなぁ〜・・と思いつつ急いで荷物をたたみ、本来予約しておいた宿に行ってみる。
今日はどうやら一部屋空いたようで、とりあえず荷物を置かせてもらうことが出来た。
はぁ・・いきなりケチが着いちゃったなぁ。
部屋でくつろぐ気分でもなくなってしまったので、清水寺の方でも散策することにする。
大粒の雨が降り注いでいる。
とりあえず持参した折りたたみの小さな傘では心もとないので、京都駅のショップでジャンプ傘を買った。
300円と激安だったが、よくよく見れば造りも安上がりで、布と布の縫い目にシーリングがされていないので、そこから雨が染み込んでくるというシロモノ。
安物買いの銭失いとはこのこと。
京都駅のコンコース。
昔来た時にはこんな立派な駅ビルはなく、ただのローカルな高架のホームだった。
建設の際には美観を損ねるなど賛否両論あったが、実際見てみると新名所としていいシンボルかもしれない。
ロータリーから清水寺方面へのバスに乗る。
バス路線地図を部屋に忘れてきてしまったのでどこで降りればよいのかイマイチよくわからない。
清水観光の客なら大勢いそうなものなのだが、どうもそれらしい人達を見かけない。
カンでそれらしい所で降り、それらしい道を進んでみる。
どうやら近くの別な寺の参道のようだ。
朝食が出なかったのでお腹が減っている。
参道のうどん屋で食事をとることにした。
出されたお茶をすするとタバコの味がした。
ウェッ。
・・これはいったい何茶だ?
嫌な予感を感じながら注文したきつねうどんをすすると、麺はフニャフニャ、ツユは10倍に薄めためんつゆに、隠し味にタバコの灰を落としたかのような不味さ。
ハァ・・
観光地に美味いものなし、というのが自分の持論だ。
覚悟はしていたものの、さっそくハズレクジを引いてしまった。
店を出て清水寺方面に足を進める。
なんとなく見覚えのある風景。
三年坂に差し掛かると、雷は鳴り響き、とんでもないどしゃ降りになった。
雨の中数少ない観光客はみな、店の軒先に避難する。
とんでもないことになった、という顔が並んでいる。
しばらくして雨足が落ち着いたところでみな移動を開始。
イ○ダコーヒで一服。
店に入ってから、前にもこの系列のコーヒーを飲んだことがあるのを思い出した。
正直なところ、お世辞にも美味いとは思えなかった。
有名な老舗のチェーン店なのだが、オレの舌がヘンなのか。
やって来たコーヒーは、ミルクが入っているにもかかわらずほろ苦かった。
清水寺に到着。
さすがに観光客の姿も多くなり、人の気配になんとなくほっとした。
あまりに有名な清水の舞台。
びくつきながらも手すりから身を乗り出して下を覗きこんでみるが、軒がさえぎって直下を見ることは出来なかった。
とはいえ真横から舞台を見るかぎりでも、飛び降りてみようなどという考えは何があってもとても起こらないのは間違いない。
しかしみな舞台にばかり目が行ってしまい、肝心の御本尊はほとんど注目されないというのも本末転倒というかなんというか・・かくいうオレもその一人だが。
緑濃い広い境内を一周する。
心地よい空間だ。
そういえば看板に、夜の清水寺ライトアップとあった。
また夜来てみよう。
来た道を八坂神社方面に取って返す。
清水周辺の小径はたしかに綺麗ではあるし、立ち並ぶ店々の造りも年季が入っているのだが、やはり観光名所然とした雰囲気を感じてしまう。
巨大な観音像が見えてきた。
思えば今日は花祭りの日、自分の誕生日でもある。
観音を横目に見ながら道を登っていくと、坂本竜馬をはじめとする維新の志士たちの墓があった。
墓は高台になっており、京都の市街を見渡すことが出来る。
墓地だけにほとんど人気はなかったが、こういう鎮魂の場所でもバカ騒ぎする輩はいるもの。
坂を下りて丸山公園に向かう。
小降りになっていた雨もいつのまにか上がっていた。
桜が満開の丸山公園に着くと、観光客でいっぱいだった。
売店で缶ビールを買い、飲りながら園内を一周する。
この旅で初めて心を緩めることが出来たひと時だった。
日も暮れ始めた頃、宿に戻る。
コンビニで酒とつまみを買った。
昨日と違って、宿は宿泊客の気配がいっぱいだった。
恐ろしいことにこの宿には防音性というものががまるでなく、TVの音や話し声、ちょっとした咳払いですら周りに筒抜けになってしまう。
加えて、ごていねいに共同トイレのドアは自動で閉まるようになっているのだが、閉まる際にこれがまたドバシャン!!とものすごい音を立てるのだ。
この辺の実情を知ってか知らずか、朝方まで騒いでいたグループもあった。
オレは周りの音が気になるタイプなので、これから毎夜かなりストレスがたまりそうで鬱になった・・
-第2日/了-
03/05/10(Sat) [長年日記]
▼ 悪夢の京都旅行3 挫折編
-第3日-
晴れ。
今日は哲学の道周辺を散策する予定。
なぜかまた朝食が出なかった。
これはもはや、朝食付きで頼んだことを忘れているとしか考えられない。
ずいぶんいいかげんな宿だよなぁ・・(´・ω・`)ショボーン
ともあれバスで岡崎公園へ向かおう。
わりあい気軽に決めた散策コースだったが、なかなかきれいな景色のところばかりで気分が良い。
岡崎公園からインクラインを経て南禅寺まで歩き、そこからは定番の観光コースをたどり、哲学の道へ至る。
また見覚えのある風景。
10数年前入った店がそのまま変わらずそこにあることに、妙な感動を覚える。
満開の桜並木と小川。
行き交う人も多く、思索に耽るほどの落ち着いた雰囲気ではないが、のんびり散歩したくなるいい日和だ。
哲学の道の終わりごろに手打そばの看板を見つけ、ここで遅い昼食をとる。
感激するほどではないがしっかりした手打そばで、この旅でようやくまともな食べ物にありつけた感じだ。
銀閣寺前にひなびた大衆食堂を見つけ、夕食はここで取ろうと当たりを付けておく。
バス停で宿へのバスを待つが、時間的にかなり本数が少なくなっていた。
おかげでけっこうな時間待たされ、宿に着く頃には辺りはすっかり真っ暗になっていた。
部屋で一休みした後、清水寺のライトアップを見に行く。
バスの時間を気にする必要もなく、こういう時こそバイクで来た甲斐があるというものだ。
ライトアップされた清水寺は昼間見た時と違って幻想的な雰囲気だった。
オレンジ色に照らし出された桜、建物。
舞台からは京都市街の夜景が広がる。
グループやカップルで来てたらさぞ盛り上がるだろうな。
ふと地元の連中のことを思い出した。
出店の屋台でいそべ焼きを買うが、妙に甘ったるくて不味かった。
いまだこの旅でこれはという美味いものに当たったためしがない。
夜9時近く、夕食を取ろうと、昼間見当を付けておいた定食屋に向かうが、店はすでに終わっていた。
ちょっと来るのが遅かったな。
幸い隣のレストランバーが営業中だ。
狭い店内にダーツのゲーム機が置いてある小゚ュ落た店だ。
テーブルに付いて注文する。
先ほどから話し声がするのでふとカウンターを見ると、サンダル履きの小汚いじいさんが携帯に向かって大声で話しこんでいる。
すっかり出来上がっている様子だ。
あちゃぁー、と思いつつ我慢して品物が来るのを待った。
注文した物が来たので食べ始めると、ようやく長話が終わり、内心ほっとする。
どうやらじいさんは常連客のようだ。
今度は店のマスターとダーツの話が始まった。
話の最中、突然彼はツカツカとこちらの方に歩いて来ると、ダーツゲームをやり始めた。
途端に楽しい楽しい食事タイムどころではなくなった。
というのはちょうどダーツを投げる辺りにオレの席があり、彼がダーツを投げるたびにゴツン!ゴツン!とサンダルが当たるのだ。
おまけに、投げる時のふはぅっ!ふはぅっ!という掛け声?が頭の真後ろで響いて、気持ち悪くてたまらない。
マスターはこちらの微妙ないらだちをわからないのかわかっているのか、にやにやしながら見ているだけだ。
我慢、ガマン・・
オレのちっぽけなヤセ我慢はそこまでだった。
ほとんど手付かずの料理もそのままに金を置いて店を飛び出す。
久々に極悪な店に当たったもんだ。
この事件のせいで、さらに京都の印象が悪くなってしまったことは言うまでもない。
この旅行、何かにタタられてるのだろうか?
コンビニで酒と弁当を買い、宿に戻る。
イヤホンでラジオを聞きながら寝ようとするが、目が冴えて眠れない。
空が白むころ、ようやく眠りに落ちた。
-第3日/了-
03/05/11(Sun) [長年日記]
▼ 悪夢の京都旅行4 疾風編
-第4日-
晴れ。
今日はバイクで嵐山周辺を散策する予定。
待ち時間を気にせず、流れる景色を見ながら快適ドライブ!
やはりバイクでの移動は気楽だ。
道が空いていたのもあって、あっという間に渡月橋に着いた。
バイクを路肩に停め、河原を歩く。
風が少々強いが、気持ちいい天気。
しかしさすが超有名観光地だけあって午前中から人が多い。
今自分が求めているのはもっと閑静な雰囲気の場所だ。
再びバイクを走らせる。
嵐山・清滝パークウェイへ向かう。
京都での峠走りがバイクで来た理由の一つだ。
入口の料金所で料金を支払う。
さすがに山に入るとどこも変わらない。
濃い緑の中、一本のアスファルト道路の上を右に左に走り抜ける。
あっという間に出口の料金所に着いた。
正直、内容的には有料にするほどの道ではないと思ったが、おそらく国道のバイパスとして利便性があるのだろう。
料金所の手前に広い駐車スペースがある。
そこに車を停めて寺への参道に下りられるそうだ。
それならば通行料が片道で済むので、そうさせてもらうことにする。
駐車場からの石段を延々と下っていくと、神護寺への参道に出た。
今度はひたすら石段を登る。
日頃の運動不足のツケが出て、ハァハァと息が切れる。
この分なら今日はそこそこカロリーを消費出来るだろう。
石段を登っていくとちょうど辛くなってくる頃に茶店があり、思わず一休みしたくなる。
まったくウマイ場所に作るものだ。
茶店には寄らずに石段を登り続けると、神護寺の山門に出た。
境内に入ると、広々とした敷地に点々と建物がある他、何もない。
秋には一面美しい紅葉で一杯になるというこの寺も、春先は訪れる人も少なく、ちょっと寂しげな感じだ。
神護寺を後にして駐車場に戻る。
しばし途中の高台から見下ろす市街に見とれる。
嵐山に引き返すと空模様が怪しくなってきた。
ときおりポツリポツリとと雨粒が落ちてくる。
昼ご飯がまだだった。
駅前のデパートの地下でおにぎりと弁当、コンビニで缶ビールを買って宿に戻る。
酒を飲みながら考える。
これ以上この街にいても、気分が悪くなりこそすれ、良くなることはないだろう。
一日早いがこれで旅行を切り上げて、明日家路に着こうと決めた。
宿の人にその旨を話し、明日の朝何時でも発てるように宿賃を払っておく。
しかし朝食の件だけでなく、オレが何泊する予定だったかまでも宿の人が忘れていたのには、あ然とした。
そんなんで明日以降の予約受けれるのか??
なんてアバウトな。
まあ、この宿とも今日いっぱいでおさらばだ。
そう考えると気が楽になった。
部屋に戻ってまた缶ビールの口を空けた。
-第4日/了-
03/05/12(Mon) [長年日記]
▼ 悪夢の京都旅行5 完結編
-第5日、最終日-
晴れ。
しかし天気は下り坂で、明日午後あたりからこちらは雨になるらしい。
帰るのにはちょうどいいタイミングだ。
気温が低いので、革ジャンの上に卸したてのカッパを着込み出発。
通勤時間の市街を抜け、名神高速、中央高速に乗り継ぐ。
先のわからない行きと違って、帰りはハイペースで快調に飛ばす。
昼前には諏訪湖SAに到着していた。
諏訪まで戻ってきた時には心底ほっとした。
目に入る雰囲気というか、空気がどこかのどかなのだ。
行きの時のようにブロックの上に横になって体を伸ばす。
風を切って走ると肌寒いが、じっと太陽の光を浴びているとぽかぽかと暖かい。
そうだ、と諏訪湖SAには日帰り湯があるのを思い出し入ってみる。
施設自体は小さいが、大きな窓から諏訪湖を眺めながら入浴することが出来る。
客は数名で快適な入浴タイム。
冷えた体もすっかり暖まった。
売店でお土産をまとめ買いし、出発。
引き続きペースを落さずにひた走る。
山梨県に入った時、目の前一面が鮮やかなピンク色に染まった。
この辺りでは桃の栽培が盛んなのだ。
高速道路の単調なアスファルトを見なれた目にはとても優しい光景。
こんな些細なことでも心は癒されるものだなぁ。
そのせいか、このまま八王子まで高速を走る予定だったのだが、オレはふと寄り道をしたい気分になった。
勝沼ICで高速を下り、塩山市へ。
柳沢峠から青梅街道を奥多摩方面へ、いつものルート。
やはり自分は、人ごみの観光地より淡々と峠を走っている方がずっと楽しいと実感させられる。
鳩ノ巣の釜飯屋で遅い昼食を食べる。
もう日も傾き始めていた。
今回の京都旅行は、たまたま巡り合わせが悪かったのか、はたまた相性が悪いのか、散々な印象だったが、後になればそれもまた良い笑い話になるだろう。
人間なんてそんなもんだ。
でももしまた京都を訪れることがあったら、今度は良い思い出を持って帰りたい。
何にしても悪いことばかりではないはずだから。
-了-
03/05/26(Mon) [長年日記]
▼ 奥多摩サイトを閉じる
約1年、長いようで短かった。
その間色々な人と知り合い、一緒に走ったりもした。
寂しくないと言えば嘘になるが、自分に維持していくだけの気力が無くなったのはたしか。
来てくれていた人たちに改めてお礼を言います。
ありがとう
03/05/27(Tue) [長年日記]
▼ ありすツーリング その1
約半年ぶりにRIKUYUKAIさんと乗鞍で会うことに。
今回はモンジュイの復活なったペンションありすのパパとMH900eを買ってご満悦のママも一緒に走ることになった。
奈川渡ダムで待ち合わせる。
かなり早めに家を出たにもかかわらず、到着したのは待ち合わせ時刻ギリギリ。
予定では途中で高速を降りて、麦草峠辺りを周ってから来ようと思っていたのだがぜんぜん甘かった。
数分後、ほぼ定刻にRIKUYUKAIさんがやって来た。
ありママのMHのバッテリーが上がってしまい、ただ今復旧中だという。
しばらくするとパパ、ママが連れ立ってやって来た。
揃ったところで出発。
まずは県道26号から39号、野麦峠へ。
先頭はパパ、続いてRIKUYUKAIさん、ママ、自分。
うへぇ、おっそろしく速いペース。
ほとんど俺が真面目に峠攻めてる時のペースだ。
最近自分一人だけで流してる時はとてもこんなハイペースでは走らない。
などと考えている間に野麦峠に到着。
平日の閑散とした駐車場で休憩。
遠くに見える絵ハガキのような乗鞍の山並みは本当に美しい。
峠の先は時限通行止とのことなので、開通時間に合わせて出発。
途中の小さな峠の展望台で一服後、開田高原で蕎麦をハシゴする。
1軒目のまつばの蕎麦はやや黒っぽい、豊かな香りのする平打ち蕎麦。
自分の好みでとても美味しかった。
店前のだだっ広い駐車場も休日は観光客で一杯になるのだろうか。
2軒目のお店は宿を兼営しているようで、ひなびた館内の佇まいにはとても風情があったが、肝心の蕎麦の方は残念ながら今一つだった。
しかしライダーに限り大盛りでも並盛り料金に割引してくれる特典はありがたい。
開田村から国道19号へ出ると、その交通量の多さに辟易する。
大型車の排ガスの中、トロトロとした流れに乗って亀のように走る。
本山集落で折れ、本山そばの里にてまた蕎麦を食べる。
今回のテーマは蕎麦ハシゴとはいえ、さすがにもうお腹がキツイ。
しかしながらここの蕎麦もなかなかの美味しさで、全部をお腹に収めるのは苦痛ではなかった。
夕刻、ありすに到着。
風呂で旅の垢と疲れを落す。
夜になってもお腹は一向に減らない。
居間で缶ビールをやりながら話をしているうちに、眠気が襲ってきた。
結局今日はみな夕食も取らずにそのまま布団に入ってしまった。
蕎麦パワーもあなどれない。
03/05/28(Wed) [長年日記]
▼ ありすツーリングその2 トンネルでコケる
空が白み始めたころ、目が覚めた。
他に人の起きている気配はない。
今日は午後から仕事があるので、昼までには帰らなければならない。
とりあえず朝風呂に浸かる。
ありすの風呂は小ぶりだけれど泉質も浴槽もお気にいりだ。
風呂から上がって外に出る。
高原の澄んだ空気が胸に吸い込まれる。
来るたびに思うのだが乗鞍は本当に空気が美味しい。
6時を回った。
みんなが起きてくる前に発つことにした。
旅仕度を済ませ、フロントに宿代を置いてバイクを始動する。
表通りまで出て軽く暖機した後、松本ICに向けて出発。
早朝の車通りのない道を快適に飛ばす。
国道に出て2個目のトンネルを抜ける時、出口で軽くブレーキを掛けたところフロントがヌルッと滑った。
何を考える間もなく、次の瞬間バイクごと地面に叩きつけられていた。
やってしまった・・
このトンネルは恒常的な漏水で路面が磨かれてツルツルになっている上に泥が堆積していた。
幸い体は上下革のおかげで大したダメージはない。
それより何より幸いだったのは、この間車がまったく通らなかったことだ。
この時もし対向車が来ていたら・・と考えると背筋がゾッとする。
バイクを起こし、トンネルの脇に寄せる。
こっちはかなりの被害だ。
サイレンサーはへの字のように折れ、チェンジペダルは半分以上削れ、サイドスタンドはスプリングを掛けるフックが飛んだ。
ウィンカー、カウルは割れ、ミラーは粉々。
そして最悪なのはクランクのアクセスカバーがふっ飛んでいた。
このまま走ればオイルが漏れ出してしまう。
とても家までは帰れそうにはなかった。
ともあれこのままここにいてもどうしようもない。
エンジンを掛け、亀のような走りでありすに引き返す。
ありすに戻り、バイクを立て掛けて一休みしていると、みんなが続々と起きてきた。
この惨状を見てみなショックな様子。
どうやって家に帰るかバイクをどうするか、親身になって相談してくれた(感謝しています)。
結局自分は電車で帰り、バイクは購入したチェーン店のロードサービスで輸送してもらうことにする。
輸送のトラックに同乗して松本駅まで送ってもらう。
長野から電車で帰るのはこれで2度目だ。
諏訪湖でクラッチのフルード漏れが始まって、バイクを地元のバイク屋さんに置いて帰ったことがある。
その時は時間はあったがお金が無かったので各駅停車で帰ったのだが、さすがに今回はそれでは間に合いそうもないので特急に乗る。
開き直って鉄道の旅を楽しむ。
ビールは飲めるし、眠っていても目的地に着くのだからこれはこれで快適な旅だ。
トラブルでの帰り道でさえなければ・・