07/07/03(Tue) [長年日記]
▼ 本州脱出!北海道2000キロ 第3日
目が覚め窓から外を覗くと、薄っすらと霧がかかっている。またか・・('A`)
旅支度を整えてガレージのシャッターを開ける。
昨日しまう時に気づいたがチェーンのサビが酷い。出発直前に注したルブも関越の雨中走行で流れてしまったのだろう。DIDエンデュランスチェーンの厚いゴールドメッキでも歯が立たなかったようだ。今度から長く泊まりで出かける際にはルブを携帯しないとな。
弟子屈から国道を折れるとしばらくしてスッと霧が晴れた。ほのぼのとした牧場地帯の道道885号を進む。
裏摩周への看板に従い道道150号に折れる。ハイペースで飛ばせる広くて快適な山道。気持ち良く駆け上がって行くと、スノーシェルターの先に展望台への分岐が現れた。そこを折れるとまたまた美味しいワインディング。早朝なので車はいないし空気は美味しいし、
爽・快!!!
裏摩周展望台に到着。
まだ人の気配の無い展望台を独り占めである。眺め自体は第一、第三の表側に比べるとやや地味な感じであるが、こちらの方がより緑の中の展望台という感じで雰囲気が良い。
静寂の中、野鳥のさえずりだけが聞こえる。ベンチに横になってしばらく聞き入った。都会では絶対に出来ない贅沢というもんだ。
さっきの分岐まで戻り、先に進む。極上のワインディングロードはとどまることなく、やがて神の子池への分岐看板が現れた。神の子池もまた今回の旅の目的のひとつである。
ここから先はまたダートになる。今度ばかりは舗装路は無い。神の子池に会いたい者はダートを走るしかないのだ。
ドカでダートを走るなんてのはバカげていると思う人もいるかもしれないが、最近のSBならともかく900SSはフラットな砂利道くらいなら意外に普通に走れるし、うちのはハーフカウルだからカウルにキズがつく心配も無い^^
林道を2km少し進むと神の子池の駐車場に出る。この先にもまだ2本の林道が通じてはいるが、オイラのバイクではさすがにここまでだ。
ダート走行ですっかり暑くなってしまった。革ジャケットとサーマラップを脱ぎ捨てTシャツ一枚になる。
見てみるとたしかに池だ。キレイではあるけれども・・そんなに感激するほどかなぁ・・?と思いながら池を一周しようと奥側に向かうと水の色が違う。
うぉ、スゲェ・・!!なんだこれ?
倒木が折り重なる水底の違いか、水面の反射の具合なのか・・
思わずため息が出るね・・
ベンチでぼけーと眺めていると車が一台やって来た。お兄ちゃんが降りてきて「こっちからバイクを持っていけば看板の前で一緒に写真撮れるよ〜」と言い残して池を一周して去っていった。
ルートを探してみたけれど、どう考えてもかなり狭い石橋を渡らなければならない。とてもバイクを渡す気がしなかった。ドカは重心が高いんだよ^^;
しかしこういう場所にまで硬貨を投げ入れる者がいるんだよなぁ。恥ずかしいからやめにしないか?素敵な場所を大事にしようっていう気持ちは無いのかね?(ーー#)
国道に戻り、東に進路を取るとまたしても視界が霧に包まれた。よく出るよなぁ・・('A`) カッパを着るほどじゃないにせよ、シールドにつく水滴は何度も拭わなければならない。むー、ワイパーが欲しい。気温も低いので再びサーマラップを着込む。
幸いしばらく走り続けると霧は消え去った。看板に従って幾度か右左折を繰り返し、丘道を上っていくとガバッと視界が開けた。開陽台である。
展望台に登ってぐるりと見渡す。
遮るものが無いパノラマ。こりゃまたスゴイわ。
展望台の裏側の四角く区切られたサイトには、数人テントを張っているライダーがいた。高台で風が強いから意外とタイヘンかも。しかし晴れの夜の星空なんかはもう最高だろうね^^
さて地図を見て検討、次に向かうのは・・よし、根付半島に行こう。
現在地がよくわからなくて道を間違えたら、よく雑誌やウェブの写真で見るロングストレートの場所に出た。おぉ〜、ここだったのかぁ!
ここまでまっすぐな道は多かったけど、これほどグネグネと上下にうねったロングストレートは無かったよ。オイラも定番の写真が撮れてラッキーだ^^
海への国道は特筆することはないけど、広くてやっぱり道が空いているのがいいね。街中を除いて信号は無いに等しいし、センターラインはほとんどが白線だから、たまに遅い車がいてもどんどんパスして自分のペースで走り続けられる。追いつくと前車もすぐ端に寄って譲ってくれるんだな。
潮の香りが漂ってきたと思ったら、海岸に突き当たった。ニョキッと毛が伸びた感じの根付半島へ進む。
左手は海、右手は湿原の一本道を行く。強風が吹きすさぶ。半袖のTシャツだけでは風邪を引いてしまいそうだ。
店なんかは一軒も無く、あるのは漁に関するものばかりだ。海の男の世界だなぁ・・
半島の先端に突き当たるとそこは原生花園になっていた。
車では突端まで行くことは出来ない。バイクを停めて辺りをしばらく歩いていたが、冷たい風に追い立てられてバイクに戻った。
トドワラ、ナラワラを横目に見て半島の根元へ引き返す。海を挟んで雪を被った羅臼岳の姿が目に入ってくる。
海沿いの快適な国道を辿り、羅臼の町に歩を進める。
ホクレンでガソリンを入れたのだけれど、フラッグは貰えなかった。どうやらまだキャンペーン前のようである。フラッグは今年が最後らしいという噂を聞いたので一枚は欲しかったなぁ・・残念><
海沿いのセイコーマートでハンバーグプレートの食事。え・・安上がりで良いでしょ?w
ひかりごけを見にに立ち寄った。半洞窟の檻の中を覗くとそれらしきものがあるが、特に光っている様子はない。右に左に歩いて角度を変えて見ると・・あっ、光った!Σ(゚o゚) しかし微妙だな・・w
右手間近に海を見ながらのシーサイドクルージング。
海がキレイなんだよ〜、これがまた。
海の向こうには国後島が見える。こんな目の前にあるのに日本の領土じゃないんだよね。そりゃオカシイという気持ちになるわなー。
海岸線を進んで行くと、右手に瀬石温泉がある。
無料の温泉だが管理している人がいて、無断で入るのは禁止だ。バイクを停めて下りて管理小屋に行ってみるが、あいにく管理の方は不在だった。
湯船は浜辺を掘っただけのワイルドな造りだ。もちろん潮が満ちる時には入れない。湯に手を入れてみるとかなりぬるかった。管理人さんもいつ戻ってくるかわからないし、今回はパスだな。
さらに少し先の相泊温泉に行ってみた。
こちらも浜辺に掘られた温泉だが、湯船と海の間にテトラポットが置いてあって、ある程度波からカバーされている。それでも波の高い時期には簡単にテトラポットを越えて、湯船が石や昆布などで埋もれてしまうらしい。こちらにも管理人さんがいらして、毎年夏前に石をかき出して整備するそうだ。
観光シーズンには湯船を囲う小屋が建てられて男女別に分けられる。年中建てっぱなしにしておかないのは、冬場の高波で簡単に壊されてしまうからである。
さっき瀬石で会ったライダーもやって来て、相伴することになった。
海に向かって湯に浸かっているとテトラポットが視界の邪魔だが、理由は先の通りだから仕方ないね。
湯は柔らかくて、ちょっと昆布ダシが利いていて良い感じだw
そろそろ上がろうと思ったら、浜辺の鋭い石に足を引っ掛けて小指を切ってしまい、流血してしまった。結構深く切ったようでなかなか血が止まらない。
ティッシュで押さえていたら数分ほどで血は止まり、ホッとする。バンソウコウの用意をしてなかったのは失敗だ。真面目にファーストエイドキットを選定して、ツーリングの際には必ず持って行くようにしなくてはな。
バンソウコウは羅臼のコンビニで入手した。
相泊温泉から少し進むと、道は行き止まりになる。
ここが車で行ける知床半島の先端だ。ここから先に行くには歩いていくしかないが、手つかずの自然のままで、熊も多く住んでいる。シロウトにはオススメできない。
橋の向こうの小屋の前では地元のお兄ちゃんが、なぜか裸でジャグリングの練習をしていたw 今思い出すとシュールな画だな^^;
いよいよ知床半島の北と南をつなぐ知床横断道路にエントリーである。
例によって広く快適な峠道に自然とアクセルも開いていく。せっかく走りに来たのだからペースを上げて思い切り楽しまないと損、みたいな気持ちもあったのだろう。
羅臼岳の見事な姿を見ながら駆け上る。適当なところで路肩にバイクを停めて写真を撮った。
バイクに戻って何気なく前を見てハッとなる。すぐ先の路肩に一頭のエゾシカが座り込んでいた。
こちらにはまったく関心がない様子でボケーと辺りを見ている。再びカメラを取り出してテレ端で収まる位置までゆっくりと寄る。逃げるなよ〜・・
逃げる気配はまったくなかった。人間になんか興味ないよ、てな感じだ。
シカなんて関東の人間にしてみると珍重な動物に思えるが、地元民にとっては今現在ごくありふれた、むしろ作物を荒らす害獣にも近い存在であるのだという。
ともあれオイラはシカの出現ですっかりトンガリ毒気を抜かれてしまい、以後はすっかりまったり観光ペースでの走行となった。それもまた良し。
知床峠の駐車場にバイクを停める。ん〜、ここの眺めも実にスバラシイ!
さすがに大勢の観光客やバスがひっきりなしに立ち寄って賑やいでいた。
峠を下り海岸線の国道にある道の駅に休憩に立ち寄る。
世界遺産知床だけあって立派な道の駅である。職場へのお土産を買いこんで発送してもらうことにした。
相泊温泉で会ったライダーと再会。彼はサロマ湖方面に向かうとのこと。オイラはどうしようかな?
一旦とりあえず網走方面にバイクを進めたが、今夜の宿は和琴に取りたかったので、網走から回るのはなかなかキビシイ時間になっている。無理はやめて内陸部に進路を変更した。
交通量の多い幹線道路に紛れ込んでしまう。幹線と言っても道幅はあまり広くなく、北海道のくせになぜかセンターラインが延々とイエローなので、遅い先頭車を抜きたくても抜けない酷い情況。これじゃ本州にいるのと変わらないじゃないか^^;
ついにシビレを切らして、途中の交差点でよくわからない道道に折れた。何度か現在地を地図と照会してどうやら摩周の方に向かう道道に出られたようだ。今回の旅ではケータイのGPS機能が大活躍だった。なにせ持っている地図の縮尺が大き過ぎるから、ちょっと目標を外れると自分が今どこにいるのか良くわからなくなるのである^^;
ちなみに今回の旅でタンク上のマップケースに入っているのは、ジパツー付録の0円マップ'06年版と、にしさんからもらった'99年版ホクレン道東マップである。正直なところツーリングマップルは買っておくべきw
川湯温泉から硫黄山に辿り着いた。
その名の通り裸の山のあちこちから硫黄ガスの白煙が立ち上っている。間近にまで近づくことが出来るのはスゴイね。普通ならもっと手前からロープを張られて立入禁止にされそうなものだが、落石で本当に危険な箇所までは登って見ることが出来る。
今の都会人はあまりに過保護に慣れすぎてるからな^^
黄色く変色した石。ボコボコと沸き立つ蒸気。今にも煙の向こうからウルトラ怪獣が出現しそう。
硫黄山のゆでたまごを食べながら和琴の民宿に電話して部屋を取った。
宿への帰り道、砂湯とコタン温泉に寄ってみる。
コタンは屈斜路湖のほとりの無料の露天風呂。
屈斜路湖に沈み行く夕日を眺めながら のほほんと温泉に浸かれるなんて、なんて贅沢な話だろう。
湯に浸かっていると森の中からチョロッと動物が現れた。キタキツネだ。
しばらく回りを歩き回ってまた森に消えていった。・・まさしくここは北海道だなぁ。
ふいに現れたおじさんが「湯加減はどう?」と問いかけてきた。コタンの湯の管理人さんらしい。先客と一緒に「いい湯加減ですー」「いつもありがとうございます〜」と返事を返すと、
「ちょっと取材のビデオを回したいんだけどいいかな?TVとかじゃないし5分くらいで済むから・・」なんて話になった。
「人が入ってた方が感じが出るからさぁ」どうやら地元向けの資料か何かに使いたいらしい。もちろんタダで入らせてもらっている身分、快諾して撮影班のセッティングを待つ。
5分といいつつ実際には20分くらい撮影に掛かったので、オイラより先に入っていた人なんかはすっかりのぼせてしまっていたw
そんなわけで、今頃どこかでオイラのヌード姿の映ったビデオが流されているかもしれない・・(シルエットだけど)w
和琴半島の民宿めぐみやに到着。
昨日露天風呂に入りに来た時に見かけて覚えておいたのだ。
1階は2段ベッドのライダーハウス、2階が民宿になっている。それぞれ800円、1,800円という安さ。
昔は家族で食堂もやっていたが、子供たちは結婚してそれぞれ散りぢりになり、今はおばちゃんひとりで細々と続けているそうだ。
宿は素泊まりOnlyなので、夕食を摂りに出かけた。
弟子屈でその名も弟子屈ラーメンに入ってみる。
醤油ラーメンはトンコツベースだがすっきりした醤油味で、オイラ好みだった。一口ギョーザも美味しい。満足^^
食事の帰り道、真っ暗になった中をライトめがけて雨のように虫が飛び込んでくる。
とにかく今回のツーリングではカウルやシールドに当たる虫がハンパじゃない。いつもはウェットテッシュで拭いているがそんなんじゃとても埒が明かないので、濡らしたウエスは常に必需品だ。
今日の泊り客はオイラと岩手ナンバーの旧型セローのおじさん(オイラより若いかも?w)。しばらく居間で話を弾ませて部屋に戻った。
一杯やって床に就くと気持ち良い眠気がやってきた。
今日も走り回って充実した一日だったな・・
(走行82,430km)
なはは、ラーメン食べてますね、そうか北海道ならラーメンも美味いんだろうなぁ。朝から走りだして、観光して温泉浸かって500キロ近く走っても夕刻には宿に着けるのは北海道ならではですかね。
なにしろ車が走ってないですからね〜 信号待ちもないしね。<br>一旦そのペースに慣れちゃうと、釧路みたいな都会は殺伐としてて怖かったです。
第3日を拝見しました 自分はもっと悪い天気も体験してますので こりゃ上出来ですね 良い写真も撮れてるし v(^_^)v こうやって見ると どこも すごーーく良い所に見えます 思わず行きたくなりました
天気に恵まれたのは本当ラッキーでした。<br>今週末から行く人なんかはタイヘンですね・・さぞヤキモキしてるでしょう。