04/11/02(Tue) [長年日記]
▼ 紅葉の奥鬼怒へ
1.霧の国道
昨日は一日雨。
今朝もイマイチすっきりしない天気だが、貴重な秋の一日をムダには出来ない。午前6時、家を出発。
出発前見たネット情報では、関越道は東松山まで霧のため通行止。そこでR16からR17を経由して下道で日光方面に向かうルートを採った。一面は霧で覆われ、シールドにつく水滴をぬぐいながらの走行。群馬に入るまで、この霧には悩まされる。
それにしてもR17の酷い渋滞にはマイッタ。迂回するにしても、近くに高速のICは無いし、R122に抜けるまでに2時間を要した。
鴻巣の免許センターに行く際にもR17を使って懲りた覚えがあるが、まさしくその二の舞。
もう絶対ゼッタイ近寄らないようにしよう。
渡良瀬川沿いのR122に入るとようやく車通りも少なくなった。追い越しをかけて遅れを取り戻す。すでにこの辺りから紅葉がキレイに色づいている。
日足トンネルの手前で細尾峠への旧道に折れた。
つづら折りの厳しい舗装林道で、美しい紅葉のトンネルを期待したが、残念ながらだいぶ落葉している。静かで落ち着いた雰囲気。
この道は通る車もほとんど無いので、落ちた葉は放置されるがまま、路面に大量に積もっている。濡れた落ち葉で滑らぬよう慎重に走り抜ける。
2.そばまつり
日光市内に入り、R119を今市市方面へ。
やたらと「今市そばまつり」の立て看板が目に入る。この近所に会場があるらしい。国道が酷く混雑しているのはそのためか。
蕎麦が食べられるのだろうか。ちょっと寄ってみることにした。
会場の駐車場は満車とのことで、河原の臨時駐車場にバイクを駐める。実際の会場は2kmほど離れた公園で、駐車場からは無料送迎バスが出ているとのこと。バイクだから直接公園に来れば良かったなぁ。
公園内にたくさんの蕎麦ブースや物産ブースの出店。2食1,000円の食券を買って、好きな出店で蕎麦を食べるシステムだった。
蕎麦ブースにも大行列が出来ているところと、閑散としたところがある。皆何かで情報を仕入れて来ているのだろうか。
しかしコチラは手持ちの情報は0。行き当たりばったりに入るしかない。
1軒目、適当に入ってみたところが失敗。どうも単に蕎麦好きのシロウトが出している店もあるみたいだ。いや、ここに来たこと自体がすでに大きな失敗だったのかもしれない (^-^;
2軒目に入った藪蕎麦の店はけっこう美味しかったので、多少救われた。早々にバスに乗って去ることにした。
3.紅葉の山里
大谷川を渡り、混雑した国道を避け川沿いの県道245へ。カッパを着るほどではないものの、サラサラと小雨まじりの天気。
走っているとコーナーごとに立てられた「十割蕎麦」の看板が目につく。先ほどの不満もあり、えーい、そんなに言うなら食ってやる!と河原沿いにある看板の店に下りる。
ここは釣り堀に併設されている店のようだ。店内の壁には釣り竿や、釣り上げた魚と釣り人のポラ写真が飾られている。
蕎麦の方は程よく満足する出来であった。
大笹牧場手前の山道の途中に開けた場所があり、そこから見える谷一面が色づいていた。
圧倒的な美しさ。あたかも絵画か、ミニチュア模型の箱庭か。手を伸ばせば届きそうで、届かない。この迫力は実際目にしないとわからないだろう。写真にはとても収まりきらない。残念だ。
山道を抜け、栗山村に出る。
右を見ても左を見ても、紅葉。どの山もオレンジ一色に染まっている。
それはそれで美しいのだが、見慣れるとコントラストに欠けるのも確か。やはり、緑、黄色、オレンジ、赤がバランス良く配色されている方が、いつまでも見飽きない。
集落に出、走りながら共同浴場を探すが、それらしき看板も案内も無い。温泉街の中ほどにあるのはわかっているのだが。地元民向けの場所のようなので、あえて表示していないのだろう。
川治温泉にも安い共同浴場がある。あきらめて川治へ引き返す。
4.温泉の住人
川治温泉の共同浴場は看板が出ており、すぐに見つかった。利用料300円というのが嬉しい。まあその代わり洗い場も何も無い。あるのは湯船だけだ。
岩風呂の湯船は内湯(と言っても外とはガラス一枚だけ)と露天の二つ。冷えた体に露天の湯はかなりぬるかったので、わりあい熱めの内湯で体を温める。
客は他に7、8人いたが、湯船に余裕があるのであまり気にならない。
湯に特筆することはないが、うっすらと硫黄の香りがする。のんびりと湯に浸かる。
ふと気がつくと、奥に鎮座していたオヤジのウンチク話が始まっていた。そのうちだんだん声のトーンが高くなってくる。奥の細道がどうとか、エライ勢いで話し続けるので、たまたま隣にいて話かけられた人もすでにウンザリしている。ヘンに合いの手を入れなければいいのに、と俺は思いながら、その場の皆一様に我慢して、湯に浸かりながら嵐の過ぎるのを待っている (^-^;
ついに聞き役が逃げ出して、長い話はようやく終わった。知識自慢も良いけど、もっと話術も磨かないと誰も聞いてくれないよ、オジさん。
5.一人客の憂鬱
予定ではもみじラインを走った後、奥鬼怒から沼田方面に抜けるつもりだったが、この調子では山王林道や金精峠もそれなりに混んでいそうだし、午前中にモタモタしてしまった分、時間的余裕も無い。さらに運の悪いことに、とうとう雨が降り出して来てしまった。
閉店した店の軒先を借りて雨宿りする。
ビシャビシャという天気雨のような降り方。しばらく待ったが止む気配はない。
素直に最短ルートの塩原経由の東北道で、帰路に着くことにした。カッパを着こんで走り出す。
素晴らしい塩原の紅葉。先のコントラストの利いた景観である。
思わず駐車スペースでバイクを停めてパチリ。
あまりの見事さに、このまま通り過ぎて家に帰るのが惜しくなってきた。このままのんびり観光して、一泊して、明日朝発っても仕事には十分間に合う・・(^¬^;
その気になって意気込んで宿泊案内所を尋ねるが、「塩原はどこも一人客は泊めないんで」とのつれない返答。('A`)
予約の時点で一人客が断られるのはまぁ理解出来るが、なぜ飛び込みでもダメなのだろう?
空いている部屋をムダにするよりは、一人客でも泊めた方が儲かるのに。今思えば休前日だからどこも一杯だったのか?にしては「本日空室あります」の看板もいくつか見かけたけどなぁ。
嘘かホントか、自殺防止のためとかいう理由で泊めない、みたいな話も聞いたことがあるが、俺が自殺するような風体には見えないだろうし。
また断り方が殿様商売というか、ホントに取りつく島も無い感じだったので、あれだと次に家族や友達と来ようと思ってた人も、二度と塩原に来るか!となってもおかしくないんじゃないかな?商売が下手だ。
6.エピローグ
仕方なく温泉街を後にして、とっぷりと日の暮れた中、車の列を着いていく。西那須野塩原ICまでは意外に近かったのは幸いだった。
東北道に乗り、ひと心地つく間もなく、どしゃ降りに遭遇。稲光が闇を切り裂く。「落ちるなよ〜!!」と身を伏せ、叫びながら、雷雲の最なかを抜ける。
どうにか雨雲地帯を過ぎ、夜の東北道を快走していると、今度は事故渋滞が待っていた。ちょうど給油のタイミングということもあり、渋滞直前の佐野SAに入る。空には星が光っている。
カッパを脱ぎ、先週に引き続き、麦とろ定食の夕食。予想を越える充実した内容に、思わずカウンターで「おおっ」と声を漏らしてしまう。
ラーメンやうどんが500円以上するのに対し、こちらは具たっぷりのきのこ汁がついて600円と、おトク感が高い。隣でラーメンを食べていたオジさんを横目に、内心(勝った)と思った 笑 なんてつましいバトル (^-^;
満腹後、疲れから眠気がやって来たので、広場のベンチに20分ほど横になった。
給油を済ませ、SAを出ると、先ほどまでの渋滞はほぼ解消されていた。岩槻ICまで後わずか。アクセルを開く。