07/02/11(Sun) [長年日記]
▼ 房総横断!あさりめしツーリング
埼玉スレでは銚子ツーリングの企画が立ち、都合60台もの参加台数になる程の盛り上がりらしい。
それに触発されたのだろうね。自分もこれまでほとんど食指の動かなかった千葉へのツーリングを先週あたりからまじめにプランを練っていて、ヒルツさんを誘い今日が決行とあいなった。天気予報どおりの暖かな陽気を期待。
ルートは当初銚子から富津まで房総半島を一周するようなコースを考えていたが、泊りがけでないとちょっと無理な距離だろう。加えてヒルツさんによれば、千葉はどこへ行くにも渋滞が酷くあまり距離を稼げないというので、九十九里から海岸線に出て、養老渓谷を経由して富津へ回るルートに変更した。
予想に反して冷え込んだ朝、9時集合の京葉道・幕張PAを目指すが首都高からすでに激しい渋滞。
なにせ走り慣れない首都高である。すり抜けを駆使しながらも道(JCTでの分岐)を間違えないよう細心の注意を払いながら進まなければならない。ミスコースしたら大変だ。
30分近く遅れて、ようやくヒルツさんの待つ幕張PAに到着。一息つき、売店の自家製おにぎりをかじりながらエリアを絞ってコースを再検討する。
九十九里方面はばっさりカット。一気に内陸部の養老渓谷まで向かい、南房を回って富津というルートにした。
いく度ルート変更がされても必ず富津が出てくるのは、千葉に行くならアサリは絶対外せないという俺の個人的かつ明快な理由による。さらに簡単に言うと「アサリが食いてえんだよ!」ってことだ。
姉崎袖ヶ浦ICで館山道を下り、県道81号を南下。
途中2台の白バイが気持ち良さそうに飛ばしてた。一緒のペースで後着いてったらやっぱり捕まえるのかなあ?w やんなかったけどね。いえいえキップは間に合ってますよ。
片田舎の道を車に続いて走り、気がついたらもう養老温泉だった。ここは・・渓谷か?なんかちっとも山の中の感じがしないんですけど。
どうもこの辺はまだ渓谷の取り付きくらいのようだ。もうちょっと奥に進んで亀山湖の方まで行けばもっと険しい渓谷の雰囲気になるのだろうか。
地図を検討し、交通の少なそうな舗装林道のルートを取った。それにしても一見の旅人にとって千葉は案内看板が不十分でわかりづらい。何度もミスコースしてしまった。幹線道路を走っているだけなら良いのだろうけど・・
ツーリングマップルを失くしてしまったので俺は現在A4板のデカい地図を使っているが、ツーリングマップルのようなお薦めルートのガイドが無いのは、初めての地ではけっこう不便なものだと実感する。時間が限られている時は、良い雰囲気を楽しめる道なのか、ただの移動向け道路なのかくらいは事前に知りたいもんな。今日はヒルツさんが持ってるから助かった。
しかし千葉県は紫の線(お薦めルート)が本当に無いな。バイクにはあまり楽しくない道が多いみたいだ。
少ない紫の線のひとつ、清澄養老ラインに出て天津小湊に向かった。ようやく峠らしい峠道が出てきて一安心。とはいえ車もそこそこ走っているから、快適に走れたのは半分くらいか。
養老ラインの最初にあった七里川温泉にはちょっとそそられたなあ。建物も良さげだし、なにより看板にでっかく書かれた「硫黄泉」の3文字に惹かれたよ。駐車場から溢れて辺りの道端に停まってた車の数がなにしろハンパじゃない台数だったからパスしたけど・・
#後で調べたところ、やっぱり掛け流しのなかなか良い温泉だったようだ
山道を下りきると、社内旅行で見覚えのある鴨川の風景が現れた。
シーワールドの車列もまたハンパではなかった。数箇所ある駐車場の前にはどこも車がうんざりするほど並んでいて、ゲートにも家族連れや団体が溢れていた。パパやママはタイヘンだなあ〜・・
海岸線を離れ、林道嶺岡中央線に入る。
これもまた数少ない紫ルートのひとつだ。もちろんダートではないが、にしても林道らしからぬ明るい道である。なにしろ乗り入れたとたん道沿いにリゾート風のオシャレなカフェレストランやホテルが現れるのだから。
ウォークラリーのようなイベントでもやっているのだろう、引きもきらず歩行者が歩いている。それも路肩の右側だったり左側だったり、さらには横ぎっていたりとまちまちなのでちょっと気を遣う。
平坦でまっすぐな上り坂をしばらく行くとようやく人気も無くなったので、ペースを上げる。
半島を横断するこの林道は区間ごとに1号線2号線・・という具合に番号がつけられている。
海岸線からの取り付きでは林道らしからぬ平坦さだったが、さすがに進むにつれてクネクネした感じになってきた。それでもグリーンラインのような険しさとは程遠い。
ときおり視界が開ける場所があったりもするが、とにかく景色が平坦である。雄大な連山やはるか眼下の市街なんていう好景観はまったくない。平坦な小山が見えるばかりなので、休まず淡々と走り続けることになる。
地図を読み違えて白石峠への分岐をミスり、ふもとまで下りてしまった。県道88号の看板を見つけ、林道に戻る。
88号はちょっとした峠道の県道で、めずらしくバイクが1台、ワインディングを往復して楽しんでいた。というか、林道に入ってここまでバイクの姿を1台も見ていないぞ。車の往来を気にしないで峠を楽しむにはなかなか良い道だと思うんだが。実は他にもっとバイク向きの道があるのか?
林道も終点近くになって、ようやく海の遠望を見渡せる休憩所があったので一息ついた。
やっぱりどうもインパクトに欠ける気がするのは標高差が無いせいだろうな。うーん・・千葉・・
時刻はすでに2時を回っており、我々の空腹も限界を迎えようとしていたので、寄り道せず富津館山道路で一気に富津まで走る。
富津中央IC付近の渋滞をすり抜けでかわし、ひたすら富津岬を目指す。これから岬に向かうこちらはそれほどでもないが、国道の対向車線は酷い渋滞だ。
そして我々はひとつの問題を抱えながら走っていた。ガス欠である。実はもう林道に入る前あたりから、見当たり次第入れようと探していたのだが、ルート上に開いているスタンドが見つからないのだ。
そうこうしているうちにいよいよ残量が厳しくなってきた。はたして岬に向かう道沿いにスタンドはあるのか?
だが我々は賭けに勝った。ついに営業中のスタンドにたどり着いたのだ。我々と言ってもガス欠寸前だったのは俺だけだが。
スタンドのおじさんが言うには、あちこちのスタンドが不況で廃業したそうである。
再び岬に向かうと、給油したスタンドを皮切りに続々と営業中のスタンドが現れた。・・君たち、もう少し早めに出てきてくれたらありがたかったんだけどね?
スタンドから岬まではすぐだった。富津公園の無料駐車場にバイクを停める。
目的のアサリ料理を食べさせる店は公園前に4軒が並んでいる。しかし、そこで我々は信じられない光景を目にしていた。
行列である。どうして千葉の、こんな店の、こんな季節の、こんな時間に、こんな行列が出来ているのだ??(失礼) 俺には理解不能だった。
どうやら行列の2店は雑誌やテレビで紹介された名物店らしい。以前(8年前)来た時もこんなだったかなあ・・?
ともあれ並んで待つのは避けたいので、他の食堂の様子をうかがってみる。1店はすでに準備中の看板が出されていたので、残る1店に期待がかかる。店を覗くとかなり混んではいたが、どうにか座敷が1席空いていたので、この店で食事を取ることにした。
満席の店内を見渡すと、なにやら混沌とした雰囲気が漂っている。というのは、10数組の客に応対しているのはわずか2人のおばあちゃんだけなのだ。なかなか注文を取りに来ない、頼んだメニューの間違え、そして極めつけは隣の先客の注文聞きの際の「アサリは終わっちゃった。麺類しか無いよ」というセリフ。
お、俺はアサリを食いに来たんだっ。アサリが食えなきゃ意味ないんだよ!
ということで即、店を出た。少し考え悩んで結局、行列の店・たかはしの最後尾に並ぶことにした。
夕方になって強くなった寒風の中を40分待ち、我々はようやく席に通されたのだった。
それぞれ一番人気のあさりめしを注文、それと焼きアサリを一皿二人で分けることにした。
注文してからがまたしばらく待たされる。これだけ混んでいても感心なことに、まとめて作り置きではなくいちいち料理しているようだ。
待ちに待った昼食であるw(現在時刻は午後5時)
釜飯風炊き込みご飯なのだな。一口口に入れる。むむ・・美味いぞ!空腹ゆえのプラス補正も若干あるかもしれないが、想像していたよりはるかに美味しい。難を言えば量が物足りないこと。2人前は余裕で食べられるだろう。それと焼きアサリはバター風味だったけど、自分は酒蒸しの方がさっぱりして好きかな。
ともあれ、目的を果たせて大満足!!
すっかり日暮れた公園を後に、帰路に着いた。
帰り道も渋滞の高速道路をすり抜けである。凍えそうな冷気が染み入ってくる。
今回、一介の峠ツアラーには正直これといった魅力に欠ける印象だったけど、まだそれなりに楽しめるコースはありそうだ。しかしとにかくネックは行き帰りの際の混雑だね・・