11/06/01(Wed) [長年日記]
▼ Fender '57 Vintage Stratocaster
今年に入ってからずっと欲しがっていた黒ボディ+メイプル指板のストラトをとうとうゲットした。絶対的なメインのストラトは1本持っているのだから、バカ高いやつはやめて数万円で買えるお手頃な国産の中古ものにしておこうかとも思ったけど、周りから安物買いのなんちゃらになりそうという声が多かったので、そこそこの状態のそこそこに安いFender USAのストラトを見つけて決めた。ナットの交換以外は88年製のフルオリジナルもの。
Vintageモデルということで軽やかでポコポコした枯れた音を想像していたのだけれど(実際その手のコピーモデルはそういう傾向の音)全然違った。高音はどこまでも伸びやかだし、ローは図太い。極端なドンシャリな音が予想と正反対でびっくり。しかしこれがまた深い透明感のある絶品の音・・。1音鳴らすだけでゾクッと脳髄にエンドルフィンが放出されて陶酔してしまうのだ。
でもクリーンは良くても、歪みだと細いヒステリックな音になるんじゃ?と思ったが、マーシャルに突っ込んでみると、図太いローのおかげか、鋭いアタックの後これまた気持よーく伸びてくれる。自分が持っている'69ストラトよりもレコードなんかで聴いていたストラトを愛用するロックギタリストたちの音により近い。これが本家の実力か・・。
ちなみに俺は今流行りというか定番の、スティーヴィー・レイ・ヴォーンのようなTexas Special的なストラトの音があまり好きでない。基がハードロック畑なので、ジミヘンとかウリとか、もちろんリッチー、インギー・・もっとスクリームする音が好きなのだ。
ダイナミックレンジの広いビンテージタイプのPUは微妙な演奏のタッチやニュアンスまで細かに再現してしまうので、均等な入出力が必要な現代的な(アクロバティックな)演奏にはまったく向かないが、そのかわり1音をポーンと鳴らすだけでも、その中で時間の経過と共に音が変化していき実に味わいある音が出てくるので飽きない。当初PUはロック向きのパワフルなタイプに交換しようと思っていたんだけど・・これはこれで最高なので必要ないかな。
ネックはどプレーンだしボディは3ピースだし、ビジュアル的には特筆するところはない。でも良い音がすればいいのだ。フレットが細く低いこと、指板のRがきついことを除けば文句なしのギターだ。いい買い物をした。